2017年3月24日(金)25日(土)26日(日)の3日間の会期で行われている第44回東京モーターサイクルショー。美しい女性コンパニオンにも目移りするのも楽しみ方の一つではあるが、彼女たちを超えるとびきりセクシーな存在に気づいてしまったら、あなたはもう後戻りはできないだろう。
周囲を囲われた黒の空間でひときわ輝く妖しい赤
まずご紹介したいのはMVアグスタのブースだ。
昨年までのブースでもそうだったが、彼らには安易な好奇心で近寄ってくる者を拒むような孤高の姿勢を感じる。
わざわざ高い壁で大切なマシンたちを人目に触れないように隠すそのやり方は実にイヤラシイ。壁に囲われたその中は、明るい会場の雰囲気とは一変して暗めで、黒い壁に覆われた異質な空間だ。
その中に鎮座したマシンたちには、秘めた情熱を示すかのような強く濃いレッドカラーが織り込まれている。その攻撃的な赤が、MVアグスタというブランドの特徴であり、象徴だ。
愛されるか、拒絶するか。曖昧はない
MVアグスタのマシンたちは、半端な腕では乗りこなせない荒馬だ。
しかし、彼らが持つパワフルなスペックや研ぎ澄まされたテクノロジーは、本来どうでもいい。黒い空間に凛として佇むマシンたちの、暗闇で息を潜める野生の獣のようなとげとげしさに、くっきりと塗られた赤の美しさに、黙って酔ってしまえばいい。
愛するか、立ち去るか。どちらでも好きにすればいい、とばかりに姿勢を崩さないマシンたちは、決めるのはあなた自身だとそっぽを向く。その姿が気高く、さらに妖艶すぎて、心乱されるのである。