1980年代、フランス車の中でもどちらかといえば控えめな印象であったプジョーですが、このカサールはそれまでのプジョーのイメージをガラっと変えたデザインでした。真っ赤なインテリアがド派手でめちゃめちゃクール!いまから30年以上前の車とは思えない近未来な雰囲気ですね。
まさに保守派が打ち上げたスポーツドリーム!!
まさに保守派が打ち上げたスポーツドリーム!!
プジョー カサール(1985年)
フランスのメーカーにしては、オーソドックスなメカニズムを踏襲し、保守的な気風を一貫して守ってきたプジョーが、伝統の殻を破ってパリ・ショーで発表した2シーター、4輪駆動のドリームカーである。もちろん、この裏には大成功を収めたラリーカー、205ターボ16の存在があり、さらにはイメージ・チェンジによって積極的にライバルに差をつけなければならない競合の激化がある。ジェラール・ウエルターが設計のペンをとった。
巨大なドーム状のウインドー・スクリーンとフロント・ヒンジのガルウィング式ドアが派手なシルエットを作る。パワープラントは205ターボ16用1.8ℓをツイン・ターボとインタークーラーでチェーンし、600PSの出力を誇る。大きなツイン・メガホン・エキゾートがリア・ビューを印象づける。サスペンションはダブル・ウイッシュボーンがかためているが、低いノーズのためダンパーはカンチレバーを使用して寝かせている。
インテリアはクラリオンと共同開発したハイテクで武装し、情報のディスプレイはオシログラフと液晶が用いられ、コンパクト・ディスクもビルトインされている。設計と制作を合わせて2.5ヶ月で完成されたという。