小型・軽量ボディなミラーレス機でありながら、スナップはもちろん動く被写体にもAFが的確に追従するEOS M5。画像処理エンジンは最新の「DIGIC7」を搭載する。
EOSユーザーなら操作系も直感で分かる!
私(チャーリィ古庄)にとって初代のEOS Mは正直スナップ写真に適した機材であって、動きものには向いていないと思っていた。だが新しいEOS M5は周りの評判が良いので、さっそく試してみた。
普段EOSシリーズを使用している私にとって、使い方は取り扱い説明書なしで直ぐに操作が分かるのがありがたい。ただ構え方はギクシャクしてしまう、やはり背面モニターを見るよりも「覗いて」撮りたい。背面モニターを見ながらの撮影スタイルでは、長いレンズを着けるとやはりカメラをホールドするうえでバランスが悪いので、EOS M5の性能の良いファインダーはアドバンテージとなる。
連写時はファインダー内に残像が残るため少しシャッターは早めに切らないといけない。しかしEFレンズの望遠系以外はピントもスムーズに追いかける。
■EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM 絞りF8 1/1250秒
ホワイトバランスの意地悪なテストも難なくこなしてくれた!
さて成田空港で最初の撮影。わざと背面モニターで離陸機を連写してみたところモニターのタイムラグはゼロではないが、それほど気にならない。また連写した際に一眼レフとは異なる残像がモニターに出るが、これは慣れの問題でこのコンパクトなサイズを考えれば上出来だろう。
また下の写真では「機体の白トビ」「後ろの格納庫内と機体下の暗部の状態」を見るが、EOSの上級クラス機との遜色もほぼない。
EF-Mレンズではスムーズにピントも合う。シャドー、ハイライトの描写もGOOD。高輝度階調優先をオンにして使用している。
■EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM 絞りF8 1/1000秒
想定よりもバリバリ追いかけるAFを軽くて小さいボディに搭載!
別の日に朝焼けの中を着陸してくるジャンボ機を、アダプターを着けてEF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMで追いかけたが、AF動作&連写に不満はなく、ホワイトバランスを調整するのもマニュアルを見ないでできるのがありがたい。こうして撮影したのが上の写真で、満足のいくものであった。
正直、慣れるまで撮影回数を重ねる必要があるのと、日中にオートホワイトバランスが迷うケースが一度だけあったが、それを除けばEOS Kissよりも値段が高いだけの性能はあると感じた。EOS-1D X Mark IIやEOS 5D Mark IVクラスの高感度性能を求めなければサブ機としてもう少し使ってみたい。そして高齢の方や女性・子供など、この重量とサイズ感に魅力を感じる人は多いことだろう。
EOSを触り慣れていればホワイトバランスや色温度の変更なども直観的にできるのでありがたい。EFレンズは、望遠系だと遅いときもあるが中望遠程度なら問題なし。
■EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM シャッター速度優先AE 1/1000秒 ISO200 マイナス0.3 露出補正 *共通撮影データ=ISO200 成田国際空港
撮影は旅客機専門の航空写真家・チャーリィ古庄氏
旅客機専門の航空写真家,主に国内外の航空会社,空港などの広報宣伝写真撮影,航空雑誌の撮影などを行っている。旅客機関連の著書,写真集は20冊ほどあり。最近では2016年伊勢志摩サミット公式VIP機カメラマンを務めた。Canon EOS学園航空写真教室講師。
撮影機材はキヤノンEOS M5
ヒコーキ撮影で実力を発揮したEOS M5。
cweb.canon.jp■EOS M5の主な仕様
●新画像処理エンジン DIGIC 7、Dual Pixel CMOS AF、EVF(電子ビューファインダー)を覗いたまま操作が可能なタッチ & ドラッグAF、最高常用感度をISO25600に向上などキヤノンミラーレス初を満載した意欲作。
●有効画素数:2420万画素●センサー:APS-CサイズCMOS●連写性能:AF追従で約7コマ/秒(AF固定時は約9コマ/秒)●EVF:約236万ドット●液晶モニター:約162万ドット上下チルト3.2型■10万5740円(1月上旬編集部調べの実勢価格)