熱せられた合金が、さまざまなパーツになっていきます
鍛造・・・金属を叩いて成型する工法の歴史は古いです。溶かした金属を型に流し込む鋳造よりも、大雑把に説明すると(苦笑)気泡などを排することができるので、強度や粘り強さを得ることができるのが、鍛造の製法のメリットです。半面、制作時間の短さや大量生産のしやすさでは、鋳造に分がありますけどね・・・。
鍛造は大別すると、冷感鍛造と熱間鍛造に分かれます。
材料を高熱で加熱して行う「熱間鍛造」に対し、材料を加熱せずに常温に近い温度で行う鍛造を「冷間鍛造」と言います。 冷間鍛造は、表面の仕上がりが綺麗で、寸法・形状精度を出すことは比較的容易ですが、常温に近い温度での変形加工となるため材料が硬く、成形には大きな力が必要となります。また、型工具や製品の割れの可能性もあるため、複雑形状や大型部品の加工には、高温下で加工を行う熱間鍛造が有利となります。
こちらに紹介する動画は、さまざまな熱間鍛造の作業を収録したものですが、クランクシャフトやコンロッドなど、私たちが愛するモーターサイクルやクルマに使われるパーツも、いろいろ登場します。
ボーっと見入ってしまう、美しさがそこにはあります。
高温に赤く加熱した金属に圧力をかけることで、次々とパーツのかたちになっていく様は、門外漢の私たちにもわかる美しさがあります。この動画は10分39秒とやや長めですけど、その美しさにボーっと見とれていると、あっという間にその時間が流れて行きます(私だけの感覚?)。
エンジンの分解整備が趣味、というハードコア?な趣味人はさておき、フツーにモーターサイクルやクルマを楽しんでいる人が見る機会が少ないクランクシャフトなどのパーツが、こうやってできていることを知ることは、ちょっとした工場見学的な楽しさがあるのではないでしょうか?
ちょっと時間に余裕のある方は、ぜひ動画全編をお楽しみください。そうでない方は、それなり?にお楽しみください(苦笑)。