2008年公開の『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編とみられる作品。
恋人のベンと喧嘩したことで家を飛び出たミシェルは、ハイウェイで事故に巻き込まれる。目覚めた時、彼女は地下室のような部屋に監禁されていた。監禁した男は、外界は何者かの攻撃を受けていて危険だという。しかし、監禁している男もまた、異様で尋常ではなかった・・。

低予算映画として破格のヒットを飛ばした『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編?それとも?

『クローバーフィールド/HAKAISHA』は、低予算映画として、同時に登場人物によるハンディビデオカメラで撮影されたドキュメンタリーチックな動画、という設定からして、『ブレアウィッチ』の流れを汲む作品だった。
パーティの最中に突然凶悪なモンスターに襲われるが、最後まで自分達を襲い、街を破壊尽くす相手が何者かは観客を含めて誰もわからない。新しいタイプの恐怖映画であり怪獣映画として、大ヒットを飛ばした。

本作はタイトルからしてその続編と思われるが、どちらかというと、サイコパス(反社会的な欲求を満たそうとする精神病質者)によるスリラーのような展開でほぼ最後まで続く。
ミシェルは突然監禁され、ヒステリックでイカれた中年男ハワードに支配されるが、同時に彼が繰り返す”何者かによって世界は攻撃されており、外は有毒ガスに満ちていて危険である”という言葉を疑いつつも、徐々に信じさせられていく。
ハワードがいうには、襲撃してきた相手はロシアかもしれないし、火星人かもしれない、とにかく得体の知れない相手だ。
ミシェルはハワードの異常性に怯えつつも、彼の支配を脱して外界に飛び出る勇気を持てず、鬱憤した時間に苦悩することになる。

なぜ10 クローバーフィールド・レーンなのか?
続編が待たれる・・・

外には侵略者、内にはサイコパス。まさに内憂外患であり、どちらを選んでも地獄のような状況だが、みなさんならどちらの環境を望むだろうか。

本作は徹頭徹尾ミシェルの視点で描かれており、それは前作のスタイルを踏襲していると言えるだろう。執拗なまでに観客に不安感と恐怖を煽る手法は、実にいやらしい。

そのいやらしさが、このままバッドエンドを迎えるのではないか、という不吉な予感を誘う。そして、いずれにしてもどう考えても続編がなくては収まらない、そんな心理状態に観客を陥れる。
実にいやらしい、続編がなければ暴動を起こしたくなるような作品であるw。

恐怖に慄きながらも環境に馴染み始めるヒロイン・・

映画『10 クローバーフィールド・レーン』予告編

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