9つの振動モード

バイクはタイヤが2つしかないので非常に動きが複雑で、この姿勢変化にはダンパー単体のみでなく、フレームやエンジン特性などとも関係が深く、実際の開発には車体側と密接に連携した開発が必要となります。

そして、バイクの車体に発生する主な挙動は9つ!

(オートバイ@モーターマガジン社)

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ピッチング :Y軸を中心とした前後回転挙動。

ローリング :X軸を中心とした左右回転挙動。

ヨーイング :Z軸を中心とした回転挙動。

バウンジング :Z軸方向の上下動。

ウォブル :高速走行時に発生するステアリング廻りの振れ(3~4Hz)

ウイーブ :ヨーイングとローリングの連性挙動(1~3Hz)

シミー :ステアリングが細かく振れる。スロットルを絞り、惰性で走る場合に発生(3~5Hz)。

チャタリング : フロントタイヤが細かく跳ねる振動。断続的にグリップを失っている状態
(18~20Hz)

キックバック :連続ギャップで蓄積されたエネルギーが解放され、けり返される事象。

こういった振動モードを改善するためには車体側の改善が必要となる場合も多いのですが、開発
の最終段階では主にダンパーのセッティングで改善を図り、操縦安定性の最適化をおこなう手法が取られることがあります。

例えば現行モデルの場合、車体、エンジンを変えるには多額の開発費用が掛かるため、マイナーチェンジ等では簡単に完成車性能を変えられるものとして、バイクの最後の調整機構であるダンパーの開発は頻繁に行われ、より良い走りや乗り心地を追及し進化させ続けているのです。