世界最高峰の戦いを演じたライダーたち。その中でも目映いばかりの光を放ち、僕たちを魅了して止まなかった伝説のライダーがいる。ここでは、そんなレジェンド・ライダーと世界で活躍した日本人ライダーに焦点を当ててその栄光の軌跡を辿っていきたいと思います。
トップレベルで28年間に渡り存在感を示し続けた「超人」
かつてはレーシングライダー、特に肉体的にも精神的にも厳しい条件にさらされるトップクラスの選手寿命というのは、一般にそれほど長いものではないとされていた。しかし近年では、V・ロッシが世界GPで20年に渡ってトップレベルをキープし続けるなど、10年以上戦い続ける例も珍しくは無くなった。
そんな一線級のベテラン・ライダーが増えた中でも、2010年限りで全日本ロードレースから引退した伊藤真一は別格だろう。ロードレースを始めた84年から計算すれば、なんと27年。国際A級昇格と同時にHRCに抜擢されて全日本ロードレースの500ccクラスに参戦、「シンデレラボーイ」と騒がれた88年から数えても23年。あれから常にトップレベルで戦い続けてきたというのだから、もはや想像を絶する息の長さというしかない。
WGP・鈴鹿8耐成績
【WGP】
1993 WGP500 HONDA NSR500 7 位
1994 WGP500 HODNA NSR500 7 位
1995 WGP500 HONDA NSR500 5 位
1996 WGP500 HONDA NSR500V 12 位
【8 耐】
1998 HONDA RVF/RC45 優勝
2006 HONDA CBR1000RR 優勝
初のメジャータイトルは90年の全日本。500ccクラスを3連覇していたヤマハの藤原儀彦に競り勝ってのチャンピオン獲得でした。93年〜96年の4シーズンは世界GP500ccクラスへフル参戦し、ランキ
ングは最高5位でした。現在は市販車の開発テストに携わりながら、全日本ロードレースで若手育成をしたり、実業家としても活躍しています。