1895年、冬のロンドンの街路で花嫁衣装の女に殺害された男。目撃者によれば、その女は男の妻のエミリアだったが、実際にはエミリアはその前日に拳銃で自殺を遂げていた。
謎の”忌まわしき花嫁”を追う、名探偵シャーロック・ホームズと親友であり助手であるワトソンの名コンビの活躍を描く、世界的大ヒットしたBBCの人気TVドラマからのスピンオフムービー。
謎の”忌まわしき花嫁”を追う、名探偵シャーロック・ホームズと親友であり助手であるワトソンの名コンビの活躍を描く、世界的大ヒットしたBBCの人気TVドラマからのスピンオフムービー。
もともとは舞台を現代に移し、電報ではなくメールで、携帯電話やインターネットを使いこなすホームズとワトソンを描いて大人気を博したBBCのドラマ。そのドラマで活躍する俳優二人(ベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマン)をそのまま原作通りの19世紀末のロンドンに置き換えた≒置き戻した作品だ。
バイオリンとパイプを嗜み、ボクシングとフェンシングの達人でありながら、卓越した頭脳を持て余す薬物依存者。そんなホームズの姿を、生き生きと描き、古びた過去の遺物から、現代に合わせたスタイリッシュで危なげな天才として再構築しているのだ。
本作では、ホームズに匹敵する天才でありながら、悪行にのみ生き甲斐を感じる悪のライバル モリアーティー教授も登場する。やや不謹慎なたとえだが『デスノート』における夜神月(ライト)とLの闘いをちょっと彷彿するような、光と陰を歩むずば抜けた天才たちが実は表裏一体であるという図式を思い起こさせた。
頭が良すぎて狂人になりかけているホームズをギリギリのところで現実社会にとどめさせている親友ワトソンの凡人ぶりが微笑ましいのだが、このワトソンのような存在の有無が、ホームズを名探偵に、モリアーティを悪人に切り分けた要因であるのだ。(ライトにはワトソンではなく死神リュークが憑いていたからこその、デスノートだとも言える)
僕はシャーロキアン(ホームズ愛好家)とまではいかないが、著名な作品は全て読んでいる。ホームズファンと言えるだろう。ドラマでホームズを知った者も、原作からのファンも、十分に楽しめるはずだ。