幸せの絶頂から転げ落ちて、惨めな生活に甘んじても、優しかった両親の教えを守り健気に生きる女性の前に、人生の転機が訪れる。彼女には世にも稀な美しさと、それに負けない気高い精神「勇気と寛容」を持っていたからこそ、どん底から抜け出し幸せを掴むことができた。
シンデレラストーリーにもアメリカンドリームにも、僥倖を得るにも本人の心構え次第ということを美しい映像と巧妙なストーリーで示した作品。

童話としての「シンデレラ」では、継母と義理の姉たちに虐められるかわいそうな少女が、魔法の力で美貌と豪華なドレスを得て、宮殿の舞踏会で王子と出会い、見初められる。
しかし、本作では、彼女は事前に偶然 森で王子と出会い、二人は互いの境遇を知らないままに恋に落ちる。つまり彼女は魔法の力を借りて王子の関心を得たのではなく、素のままの彼女が王子の心を捉えるたのだし、彼女もまた、身分を隠した王子の優しさに惹かれるのだ。

父親の死後、継母たちの冷酷な仕打ち(屋根裏部屋の暖炉の横で寝起きを強いられることで、常に灰をかぶることになる彼女(エラ)は、灰かぶりのエラ=Ciner Ella, Cinderella とあだ名をつけられてしまう)を受けながらも、心を折られることなく、運命を呪わず、笑顔と優しさを忘れなかったからこそ、彼女は幸せを得る。

これは女性たちの夢の物語であるだけでなく、志を持つ男たちにとっても、正しい教訓だ。
努力すれば必ず夢は叶う、というわけではないかもしれないが、努力しない者には夢は叶うどころか届きもしない。

ほんのわずかなエッセンス、スパイスを加えただけで、物語は劇的に変わる。本作は使い古されたプロットでも、創意工夫で見事に生まれ変わることをも証明している。

「シンデレラ」MovieNEX 予告編

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