有吉健二さん(会社経営) 2016年10月10日

テスラに出会うまでの私は大排気量かつ高出力の車でガソリンを湯水のごとく使い、その爆音に酔いしれ、強烈な加速に身を任せるような車とバイクが大好きでした。スーパーカー世代の皆さんならわかっていただけると思います。20才でトヨタソアラ、23才でポルシェ911(84年式930カブリオレ)、29才でジャガーXJS、30才でポルシェ911(89ターボカブリオレ)、37才でセルシオ20系前期、38才でポルシェ911(964カブリオレ)、42才でセルシオ30系後期、46才でAudi S8(V10)。バイクは、CBX400、CBR400、FZ400R、GSX-R750、DUCATI 400SS jr、DUCATI F3、DUCATI F3改900、CAGIVA (DUCATI)エレファント900、DUCATI 750F1(Ⅱ型)、BMW R1100S、BMW K1300S、GSX1100S KATANA …まさにクルマ道楽。

それでも二人の子供を授かってから少しずつ意識が変わってきました。タバコもやめ、猛烈な仕事人間から家族を顧みるようになりました。それは決して大げさでも何でもなく未来の愛おしい人々のため、皆が命を授かった尊い地球のため、大企業の広告に踊らされず、過剰な消費を止め、家族とごくごくシンプルに幸せに生きていきたい、そしてそれを広めていきたいと思いました。

そんな中出会ったのが「テスラ モデルS」。 子供がプレイステーションで一番好きなクルマでした。最初は“無音で怒濤の加速をするおもしろい車”という印象。とにかく「無音加速」であり、2度目の試乗で高速道路で走ったときは「今日まで生きてきて良かった」と思ったほど。その走りは数多くのガソリン車に乗ってきた私にとっても正にFUN! 楽し過ぎる!と言うものでした。地球と人に優しく静かで速い。しかも家族4人とたくさんの荷物が詰め最高レベルの安全性と最新テクノロジーが詰め込まれた車。今まで思い描いていたものはまさにこれだ、これ以上何がある!と、これまでの大排気量車、スポーツバイク、オープンクルーザーなど今まで自分が乗ってきて最高に魅力的と思える乗り物が頭から飛んで行ってしまい、それまで大切にしていた車、バイクなど全てを手放しました。

購入したのはモデルS70Dです。スキーが趣味の我が家のライフスタイルにはAWDが必須です。以前国産のFRサルーンで2度、雪道で事故を起こしてしまっているのですが、デュアルモーターのモデルSのAWDシステムは安定感抜群。ホームゲレンデとしているスキー場の往復263kmと言うルートで、電費は186Wh/km。外気温 -7~5度の条件で、あまりエコを意識しない私の運転でもこの電費を実現します。もちろんこれぐらいの日帰りスキーでは充電の心配は不要。さらにこの好電費は全行程の90%以上をオートパイロットで走ることにも一因があるかと思います。しかも荷物も詰めて、デザインも満足、これならファミリーカーとしても十分使えるのです。

とにかく走りが楽しい。足回りやシャーシ、マルチリンクなど懲りに凝ったメカニズム。一方でLexus LSや二重ガラスのAudi S8よりも更に厚い窓ガラス。見えないところに重点を置き、コストを度外視して「本当の」安全性能や車の走りの楽しさに重点を置くという、作り手の誠実な使命感が強烈に伝わって来るのがテスラなのです。

テスラのオーナーイベントにも積極的に参加して楽しんでいます。
先日の浜松スーパーチャージャーのオープニングイベントでは、テスラが持って来ていたP90Dルーディクラスの試乗車を試してみました。3度ほど全開でゼロ発進をしたのですが、脳の血液が後頭部に行くような感覚で、気が遠くなりかけ、同乗していた家族全員もまさに大笑いするほどでした。その加速は確実に以前所有していたアウディS8やポルシェ964より確実に速い。明石への帰り道、試しに我が愛車の70Dで全開加速。0-100km/hが 5.4秒と、これでも十分に速いのですがそれさえ“人に優しい”と感じられるほどP90Dルーディクラスの加速は強烈でした。

自動運転機能に関しては世界中の注目が集まるところであり当然賛否あると思います。
世界で初めて公道を走る自動運転機能搭載車を日常的に体験しているという喜びもありますが、むしろ安全性に寄与しているということを強調したいと思います。私は車やバイクでサーキット走行やレースをしており、運転技術には自信がありますが、やはり高速走行中の集中力が通常より落ちたときに、先が渋滞していてぶつかりそうになったことが数度あります。私は車間距離はすごく開ける方なのですが、人間の感覚というのはいい加減なものです。オートパイロットで走行すれば確実に回避できる事故というものもあり、この点だけ見ただけでもダントツに優位かと思います。これはレクサスやメルセデスのレーダークルーズ使用中でも避けられるかも知れませんが、テスラのオートパイロットは次元が異なり雨や夜間時にも間違い無く日常的に使えるので、絶大な信頼を置いています。過信は禁物ですが、日々進化の様子が手に取るように感じるのでワクワクしながら使っています。長距離ではオートパイロット無しの車で行こうと思えなくなりました。

一方で時折走り屋父さんが出て来て、0-100km/h 2.7秒のP100Dの買い替えを妄想します。カラーはもちろんソリッドブラック。エコだけどクレイジー、そして悪そうでいいでしょ(笑)。

記事提供:TESLA
デジタル編集:Akiko Koda