トレーディングアーム式

(オートバイ@モーターマガジン社)

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2008年までのスーパーカブなど小排気量のスクーターなどでは、「トレーディングアーム式」のフロントフォークが使われていた。フォーク左右下端のリンクロッドが回転運動することで、前輪は円周上を動く。構造が簡単でコストが抑えられるという利点があるが、ストローク量を大きくできず、作動によるアライメント変化も大きい。

スプリンガー式

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衝撃を吸収する緩衝装置は前側のスプリングの付いたフォークで、後ろ側のリジッドフォークは前輪を支えるためにある。ハーレーダビッドソンでは1948年まで採用されていたが、88年から06年の期間に再生産されていた。ストローク量や動き自体はテレスコピック式に及ばないが、ノスタルジックなルックスから根強い人気がある。

BMW  デュオレバー/テレレバー

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 衝撃を吸収しながらも操舵機構として働くテレスコピック式フロントフォークの場合、それぞれの機能が互いに影響を及ぼすことが考えられる。例えば旋回中、フロントフォークには減速により地面方向へ縮もうとする力と、ステアリングが切れることで2本のフォークをねじろうとする力が同時にかかり、それぞれが本来の機能をフルに発揮できないことがあり得るのだ。これを解消しようとBMWでは、緩衝装置と操舵機構を分けた「デュオレバー」あるいは「テレレバー」を独自に開発してきた。スライダーチューブは操舵だけを担当し、衝撃の吸収はダンパーユニットと鍛造アルミ製のAアームが担う仕組みになっている。

車体の安定性をバランスよく保ち、直進安定性や旋回性を確保しているのと同時に、ブレーキング時には急激にフロント姿勢が沈み込まないように抑えたり、路面凹凸による突き上げを緩和するために装着されているフロントフォーク。一概にフロントフォークと言っても色々と種類があり、そして時代と共に進化し続けているのです。