最初のCBは125ccの2気筒エンジンを搭載していた。公称最高出力は15psだったが海外のジャーナリスト、ユーザーは、だれひりとしてこの数字を信じなかったと伝えられるそれほどまでに高出力だったのは、レースに勝つためのマシーンだったからだ。1959年のことである今日流に言うなら、CB92はCBR125RRである。だが、1978年に6気筒のCBXが出現するまでホンダのオンロードスポーツモデルのすべてがCBを名乗っていた。そんなCBの歴史を辿っていきたいと思います。
高速道路に対応するとともに休日にはレースも楽しめる:CB72
CB72のベースエンジンは、1957年に発売されたC70の2気筒だ(正しくは翌年セルスターターが加わったC71)。同車はスポーツモデルではなく、ビジネスからツーングまでに使える万能車で、エンジンはホンダ初の2気筒、しかもOHVが一般的だった中にあってSOHCを採用していた。そのため、C70は最高出力:18ps/7400rpm、最大トルク:1.8㎏-m/6000rpmを発揮し、車両重量138㎏の車体を130㎞/hで走らせることができた。
250ccのスーパースポーツとして発売されたCB72。マン島TTをはじめとする世界GPでトップを争うまでになっていたレーシング技術を投入したこのモデルは"トップで60km/h 以下では走れません"というキャッチフレーズで人気を博した。