オシャレなバイクxサーフカルチャーを発信するブランドである「DEUS」がしかけたカスタムバイクの祭典が「BIKE BUILD OFF」(以下BBO)です。DEUSのブランチががあるシドニー、バリ、ロサンジェルス、ミラノ、東京の5都市で同時開催されるこのイベント、今年の東京大会は湘南から舞台を移し、お台場の地で開催されました!

今年は、「動的」な楽しさがイベントに加わりました!

昨年5月に七里ヶ浜駐車場で開かれた同イベントでは、実エントリー車両81台、バイクでの来場者は500人、一般来場者1500人と大賑わいでした。昨年度は日本が最大エントリー数を記録! 日本のカスタムシーンは世界中から注目を集めていますが、この数字が示すとおり、プロ・アマ問わず、コンテストに熱くなるカスタムビルダーが多いことが、日本のカスタムカルチャーの勢いをあらわしていますね。

ツインショックのトライアルイベントなどをプロデュースするグループ、「TRIC」のブースでは、特設のセクションが設けられ、来場者が自由にセクションにトライすることができるようになっていました。単なるカスタム車両の展示だけではなく、"動態としてのモーターサイクルの魅力"をアピールするシーンが増えたのが、今年のBBOの特徴でした。

今年のBBOは、昨年度はアマチュア(オープン)のみだったコンペが、プロフェッショナルとアマチュア(オープン)に分離。アマはアマらしい創意工夫、プロはプロならではの腕前を競える大会になりました。そして、スタントライディング、BMXデモなどの「動き」のある催しも企画されたのが特徴です。静的なカスタム車両展示を観覧するのも楽しいですけど、やっぱりバイクは動いてナンボ、ですからね!

また、スワップミートも会場内に設けられ、多くの人が興味深く並べられた品々のなかから、お宝探しを楽しむ光景も見ることができました。出展カスタム車両を出す人・見る人、という一方通行的コミュニケーションになりがちだった前回よりも、出展者と観衆がよりコミュニケーションできる、インタラクティブ性が高まったのが今年のBBO、と言えるのかもしれません。

会場内のフードカートの車両も、オシャレでビンテージなものが多かったです。

スワップミートやショップのブースは、多くの人が手ぶらで帰りたくないというフンイキを漂わせてました。

ホンダ・スーパーカブのカスタムはBBOの定番?ともいえますが、このリジッド化したマシンはなかなかセンス溢れてますね。

多くの人が集った、お台場の青海J地区特設会場。午前中はなんとか天気がもっていましたが、午後は結構な土砂降り・・・天気には勝てません・・・。

上位入賞者は世界大会へ! 

各国のBBOの上位1〜3位受賞者は、世界大会への切符が与えられます。注目の1位は、私が日頃仲良くさせていただいている小野令夫さんが受賞しました。おめでとうございます! 

ゼッケン27をつけた、スズキセルペットが1位の小野さんの作品。地金を活かしたフィニッシュ、銅のパーツをアクセントに効かせるセンス・・・カスタムの素人にも玄人にも、直感的にわかるスゴサを有する作品と言えるのではないでしょうか? 昨年もアワードウィナーとなった小野さんの実力の高さが光ります。

2ストローク90cc、4ストローク110ccまでのエンジンを搭載する、実用車ベースのニーラー・・・という世界的にもユニークなコンセプトのサイドカーレース団体「Flat Fishes」からの出展車。残念ながらアワードにはかすりもしませんでしたが(苦笑)、一部のマニアックな趣味の持ち主たちには大受けしてました。

デモンストレーション走行シーン。路面がミラーリングするほどウェット状態なのは残念でしたね。

今回は会場が前回の湘南よりも広いお台場になったことで、車両を走らせる催しが増えたり、スワップミートなどのイベントを併催することが可能になったことが大いにマルでしたね。ただ、一般の入場料を1,000円徴収することになったので、前回はモーターサイクルに縁がない、湘南の海に遊びに来た一般の人々が「おっ! 何やってんの? ああ、面白いバイクが集まってんダァ〜」みたいなカンジで、ふらりとのぞきに来るというシチュエーションはちょっと減ってしまいました。

一般の人に、カスタムモーターサイクルの面白さに気軽に触れてもらう、という点では前回の大会は良かったと思いましたが・・・まぁ動きがあったり、インタラクティブ性が高い方がモーターサイクルのイベントとしては今回のほうが・・・とか思ったり・・・。まぁ2つのいいとこ取りってのはムズカシイですよね。

午後は悪天に水を差されましたが、今回も成功裏に終わったBBO。来年はどのようなイベントになるのか? そしてどのようなユニークなカスタムに会えるのか? 今から楽しみですね!