逆光で撮影する醍醐味とは?
写真を撮るということは取りも直さず「光を読むこと」。プロカメラマンは逆光をどのように捉えて、作品に反映しているのでしょうか? 日本レース写真家協会(JRPA)所属、モーターマガジン社写真部の永元秀和氏に、モータースポーツの現場で30年以上に及ぶ撮影経験から逆光の活かし方を教えてもらいました。
「逆光のレーシングマシンのエッジには強いハイライトが現れます。逆に影となるところは黒く沈み込み、ハイコントラストとなります。カラフルなマシンが一転してモノクロームのような光と影の世界に変わり、光の反射によりメタリックな硬質感が強調され、動きを伴えば疾走感が光の流れによって増幅するんです」(永元氏)。
「日の出や日没の時間帯をまたいで競われる耐久レースともなれば、夕日を背景に疾走するマシンも魅力的です。赤く染まる光が路面に反射しマシンのふちを彩るからです。順光で撮影しているところから振り返ればそこには逆光のシーンが現れます。同じ被写体でも光の読み方で全く別の多彩で深い表現の可能性が広がっているのです」(永元氏)。
光にはいろんな種類があるのを知ってましたか?
では撮影しようと思っている対象(被写体)に当たる光には、どんな種類があるのでしょうか。以下のイラストを参照して名称の違いを覚えておきましょう。
以下の作例のとおり、光線の違いで写真の印象が大きく変わるのです。順光だけでなく、斜光、逆光など自分の作画に合った光を選択(コントロール)できるようになれば、カメラマンとしての腕前も大幅にバージョンアップするはずです。
上記のとおり月刊カメラマン2016年11月号で「時代に逆光する!」という特集で「逆光撮影のノウハウ、プロの傑作」などを展開しております。そちらもどうかご参照ください。