GT300シリーズ第2弾です。まずはスポーツランド菅生で行われた第4戦から。
(第3戦オートポリスは、11月にツインリンクもてぎで代替開催)

ポールスタートは25号車VivaC 86 MC、2番手に31号車プリウスapr GT、3番手61号車BRZ R&D SPORTとJAF-GT勢がトップ3を形成。この後1コーナーで61号車BRZが31号車プリウスのインを突き2位に浮上します。

トップを独走するかに思われた25号車ですが、25周目に5号車マッハ車検MC86のクラッシュによりセーフティーカー出動。周回遅れを挟んで2番手61号車、3番手浮上のGAINER TANAX AMG GT3、そして31号車との間隔が詰まります。

SC解除後、上位陣が全てピットインを済ませると、何と88号車マネパ ランボルギーニ GT3がトップに。GT500クラスの24号車同様、彼らもタイヤ無交換作戦を敢行していたのです。しかしながら60周を過ぎたあたりからタイヤに限界をむかえ、最終的には6位でフィニッシュ。

88号車を抜き去り、レース終盤にトップを奪ったのは31号車でした。71周目、18号車UPGARAGE BANDOH 86のクラッシュにより赤旗中断となり、70周終了時点で先頭を走っていた31号車がそのまま優勝となりました。

2位、3位には25号車86と61号車BRZが入賞。この2台、市販車では兄弟車種ですがGT300では全く異なるマシンスペックなのです。86がマザーシャシー使用の4.5リッターV8NAエンジン搭載という完全レース仕様なのに対し、BRZのエンジンは2リッター4気筒水平対向ターボ、シャーシーも市販車の面影を色濃く残したものとなっています。

左から25号車土屋武士・松井孝允組、31号車嵯峨宏紀・中山雄一組、61号車井口卓人・山内英輝組。JAF-GT勢が予選の勢いそのままに表彰台に乗ることとなりました。25号車は2戦連続で表彰台、この時点でランキングトップに。

続いて2週間後に行われた第5戦です。再び富士スピードウェイから。

第2戦富士同様に、55号車ARTA BMW M6 GT3がポールスタート。2番手は21号車Hitotsuyama Audi R8 LMSが大躍進、51号車JMS LMcorsa 488 GT3も予選3番手。久々にアウディ、フェラーリが上位陣に加わります。

61号車BRZ R&D SPORTが順位を上げ、トップ3は55号車BMW、21号車Audi、61号車BRZ。互いを牽制しながら周回を重ねます。

途中セーフティーカーが入りますが、解除後も順位は変わらずピットインのタイミングに。大きな波乱も無く、レースは淡々と進行していきます。

レース終盤、ペースの鈍った55号車を21号車が猛追。ラスト3周はテール・トゥ・ノーズの攻防を繰り広げます。そして最終周の最終コーナー、55号車のスリップストリームから抜け出た21号車がストレートで55号車に並びかける、

も、最後は55号車BMWが逃げ切りトップチェッカー。ゴールラインでの両者の差は0.106秒というものでした。逃げ勝った小林崇志選手はフラフラになりながらも勝利のサイン。右隣の高木真一選手は余裕の笑顔。第2戦富士で2位となった悔しさを晴らすとともに、ランキングでトップに立ちました。

逆転優勝とはいきませんでしたが、2位となったリチャード・ライアン、藤井誠暢選手を称えるアウディの旗が揺れています。富士SWがまるでル・マンみたい?
結果も海外レースさながら1,2位、そして4~9位をFIA-GT3勢が占めることに。JAF-GT勢で孤軍奮闘した61号車は2戦連続で3位です。

さて、次回は真夏の長丁場、鈴鹿1000kmです。ボーナスポイントが付くこのレース、年間チャンピオン獲得のためにも上位フィニッシュが必須。いったいどのチームが大躍進するのかお楽しみに。
                                 (PHOTO:井上雅行)