*社名・車名ともに掲載誌の表記に合わせ、原文のままとしております。
第419号は、“世界一ハンドリングが良い車”として登場した「ポルシェ 944」です!
ボディ形状は2ドア4座クーペで、ポルシェ924をベースとしています。稀有なFRのモデルで、発売当初は911よりも販売台数が多かったそうですよ!(akiko koda@ロレンス編集部)
ポルシェ 944
924が1975年の秋に登場したとき、それはポルシェのニュー・ジェネレーションの先駆として世界中の注目を浴びた。それなりにバランスのとれたいい出来であることは間違いないのだが、それにしても当のポルシェ・エンジニアリングにとって不本意なことがひとつあった。
それはほかでもない、あの1984ccの直4エンジンは実をいうと共同開発とはいえ、アウディに使われているのを流用したものであったからだ。そこで本当に924にふさわしいエンジンを新しく開発し、これを積んだのが昨年9月のフランクフルト・ショーで発表された944だ。したがって、いずれは944が924の後継車となるかも知れないが当分は併存が続きそう。
944の直4、OHC、2479ccエンジンは928に搭載されている4474ccV8の片バンクをベースいしたものでボアを5mm広げ、日本の三菱と提携して上下2段に配置したバランスシャフトを組み込んだ斬新な設計で、開発には4年の歳月をかけている。ボッシュのLジェトロニックで毎分5800回転時で163馬力。924カレラGTSと同じく5速マニュアルのギアボックスだけだったが後にオートマはオプション設定となる。自重は924ターボやカレラGTSと等しく1180kg。だが走りはこれら2モデルに一歩を譲り最高時速220km、0〜100km/hは8.4秒の性能。