ふとした瞬間にどことなく”嫌な感じがする”。空気が変わり、時間が停止、いや逆に回り始める。それが合図だ。
主人公 藤沼悟(藤原竜也)は、売れない漫画家であり、ピザ屋のアルバイトで生計を立てていたが、時間が巻き戻される<リバイバル>という現象に悩まされていた。不吉な予感と言ってもいい。その感覚が訪れるのは、何か”よくないこと”が起きる前兆だ。悟はその”よくないこと”を未然に防ぐ努力を人知れずしていたのだが、すべての<リバイルバル>の遠因が、小学生時代に自分の同級生たちを巻き込んだ学童連続殺人事件にあると知る。
©三部けい(KADOKAWA / 角川コミックス・エース)
主人公 藤沼悟(藤原竜也)は、売れない漫画家であり、ピザ屋のアルバイトで生計を立てていたが、時間が巻き戻される<リバイバル>という現象に悩まされていた。不吉な予感と言ってもいい。その感覚が訪れるのは、何か”よくないこと”が起きる前兆だ。悟はその”よくないこと”を未然に防ぐ努力を人知れずしていたのだが、すべての<リバイルバル>の遠因が、小学生時代に自分の同級生たちを巻き込んだ学童連続殺人事件にあると知る。
©三部けい(KADOKAWA / 角川コミックス・エース)
誰の手も借りられない孤独な戦いに挑む主人公
主人公 悟は、バイトから戻ると自宅で死んでいる母親を発見する。犯人は小学生時代に遭遇したあの殺人鬼に違いない。そう直感した悟は、母親の命を取り戻すために<リバイバル>によって、小学生時代へと時をさかのぼるのである。
惨殺された同級生たちを救い、そして母親を助ける。果たして彼は、狡猾な殺人鬼の魔の手から、大切な人たちを守ることができるだろうか・・。悟の懸命な戦いが始まる・・。
三部けい先生の傑作コミックの映画化
基本的には原作の流れを忠実に再現。人によって意見は異なるだろうが、僕は原作の方が好きだ。
コミックや小説を原作に持つ映画は、たいてい原作の呪縛から逃れようとして多くのミスをする。本当は、映画化による映像美や構成、二次元の漫画にはできない圧倒的な描写力で原作を凌駕すればいいのであって、敢えて原作の設定やストーリーをいじる必要はないのだが、クリエイターとしての意地が目をくらませ、残念な結果を生む。ああ、残念。
とはいえ、本作は、基本的に良い出来であり、お金を払って観ても、満足感はあると思う。藤原竜也の演技力は相変わらず圧巻だし、彼の母親役の石田ゆり子は、それこそ時が巻き戻ってんじゃないの?と思うくらい美しい。悟と絡む女子高生あいりを演じる有村架純も可憐だし、悟が殺人鬼の毒牙から救おうと奮闘する同級生 加代役の鈴木梨央ちゃんもまた素晴らしい。
(梨央ちゃんが演ずる加代は親に虐待されているのだが、誰にも助けを乞えずに堪える姿は泣ける。僕は子供が逆境に必死に堪える姿には無条件に涙してしまうのだ・・・)
というわけで、納得できないところもあるにはあるが、本作には(かなりの上から目線で申し訳ないが)合格点を差し上げる次第である。