2002 KAWASAKI ZX-RR:4スト時代に満を持してGP復帰
(Racing オートバイ MotoGP GRAPHICS 2016@モーターマガジン社)
ワールドグランプリマシンが4ストローク化された目的のひとつは、新規メーカーの参入を促すことにあった。
具体的には、ドゥカティ、BMW、そしてカワサキ。そしてカワサキもその期待に応え、2003年からのフル参戦を公言。カワサキが世界GPに参戦するのは、2ストロークKRレーサーを走らせていた80年代初頭以来、実に20年ぶりのことだった。
準備期間の02年には、全日本選手権スーパーバイククラスに新設された「プロトタイプクラス」に、GPマシンのベースモデルで参戦。早くもその年、ツインリンクもてぎで行われたパシフィックGPに、ニンジャZX-RRが姿を見せることになった。
参戦初年度はフル参戦ではなく、後半の4戦出場からスタートしたKawasaki。GPマシンとしては少し大きい印象のZX-RRで、現在でもKawasakiのワークスライダーである、柳川明を起用し参戦。残念ながら転倒という結果に終わってしまうが、ここからKawasaki ZX-RRの存在を世に知らしめる戦いが始まった。
2003 KAWASAKI ZX-RR:本格参戦のスタートはまだまだ初期開発段階のまま
(Racing オートバイ MotoGP GRAPHICS 2016@モーターマガジン社)
エンジンやフレームを新作して、正式にスタートラインに立ったZX-RRの03年モデル。ワールドスーパーバイク時代から関係のあった、のちにMoto2マシンのフレームビルダーとしても知られる、スイスのスッター社に車体製作を依頼し、MotoGP専用エンジン、専用の車体でスタート。
車体のビジュアルは、2002年度のものとあまり変わらない印象の2003年度ZX-RR。2台体制でのフル参戦を開始したが、最高順位は10位。上位ライダーに周回遅れにされてしまう事も度々有り、20年というブランクの大きさを強く感じさせられるシーズンとなった。