1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)

日本国内で注目されているモータースポーツ 「スーパーGT選手権」 。その最高峰GT500クラスに参戦していた『NSX‐R・GT』はホンダの看板ともいえるスポーツカーです!ホンダファンのみならず、GTファンなら乗ってみたい!お金があれば欲しい!ってなりますよね。今回は“5台限定”で市販化されたスペシャルな 『NSX-RGT』 のご紹介です。

専用 装備満載!!!

まず、NSX‐R・GTの生い立ちを改めて解説しておこう。2005年3月に、当時参戦していたスーパーGT・GT500クラスのホモロゲーション取得のために、期間限定・台数わずか5台のみの限定特別仕様車として注文を受け付けたのがNSX‐R・GTだ。ただし、ここまではメーカーがホモロゲを取得するための「よくあること」。このマシンが他と比べて大きく異なるのがその販売価格。1台の車両価格が、ナント、5000万 円...!!驚愕スペックのエンジンを搭載しているとか、“スペシャル”なハードウエアを装備しているので はなく、基本的なメカニズムは変更なし。ホイールベースやトレッドなどのディメイション、エンジンスペック等に関してもノーマルのNSX‐Rと同じだ。では、プレミアムなプライスのワケはと言うと、スーパーGTに参戦しているマシンとほぼ同じルックスに仕立てられたそのスタイリングに尽きるだろう。標準のNSX‐Rと比べて全長で180㎜、全幅でも90㎜拡大された、 前後のカーボンバンパーを筆頭に専用パーツを装備。中でも特徴的なのがリアガラスハッチ上に設置されたガーニッシュ。リアミッドにマウントされたエンジンへ導風するエアロパーツだが、実際にガラスに穴を空けているのではなく、ダミー。しかし、NSX‐R・GTの大きなキーデザインとなっている。ほか、サイドのエアインテークも横に張り出した形状に変更されており、トータルでこれまでのNSXやNSX‐Rとも異なる雄々しいほどのエアロダイナミズムをアピールしている。一見、ものすごく高額な車両に思えるが、メーカー関係者によれば実はこの価格でもギリギリの設定なのだとか―。(文◎編集部)