2ストロークマシンが大活躍した世界ロードレースGP500の時代が好き! という方は多いですよね。特に1970〜1980年代初頭のころは、まだまだプライベーターが駆る市販500ロードレーサーがときどき大活躍を披露したりと、ある意味では非常に夢のある時代でした。さて歴代GP500ccマシンについては、1949年シーズン以来全機種把握している(つもりの)私ですが、この37番車は・・・?

実はこちら、映画に登場した「夢のレーサー」

じつはこちら、「Silver Dream Racer 」という知る人ぞ知る?英国の映画に登場するマシンなのです。彼の地のアイドルシンガー、デビッド・エセックスが演じる主人公、ニック・フリーマンの愛車として創造されたマシンで、もちろん実際のGPを走ったわけではありません。

ニックは荒っぽいですが、速さのあるプライベーター。この時は、市販スズキRG500を走らせますが、ピストンリング焼き付きでリタイア・・・。

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レース活動がイマイチうまくいかず悩むニックの元に、兄の訃報が・・・。失意の中で兄のワークショップを尋ねると、銀色に輝く1台のマシンが・・・。これは兄が航空宇宙工学を応用して作った、GP500用のプロトタイプでした。

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相棒のサイダー(左)と一緒にシルバードリームレーサーをテストするニック。やがて兄の残したこのマシンで、ニックはこの年の英国GP(シルバーストーン)を走ることを考えるようになります・・・。

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恋あり、バトルあり、ドラマ盛りだくさんの内容です。

こちらはアメリカ人のライバル、ブルース・マクブライド。見た感じファクトリースペックっぽいスズキRGB500で連戦連勝を記録する強敵です。

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ジュリー(左)はそもそもブルースのガールフレンドでしたが、次第にニックと愛し合うことに・・・。

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資金繰りとの苦闘を制し、ついに栄光の英国GPの舞台、シルバーストーンに出場するニックたち・・・。

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主人公たちがレース活動のスポンサーを求めてあれこれ奮闘したり、なんだかんだのドラマも面白いですが、やはりロードレースファンとしては最後のシルバーストーンでの戦いが一番燃えますね。1979年の英国GPのシーンが挿入されているので、そのあたりも映像資料として貴重と言えるかもしれません。

用意されたふたつのエンディング。

むむっ!これは・・・1979年英国GPでデビューしたものの、転倒→炎上という最悪の展開となったホンダの4ストロークGPマシン、NR500(0X)です! この直前、ライダーのミック・グラントが転がるシーンも映っています。

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転倒続出の荒れたレース展開、ニックは満を持してシルバードリームレーサーにムチを入れてスパート! 

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じつはこの映画、ラストはふたつ用意されていましたが、採用されたハッピーエンド版のほか、バッドエンド版もあったのです。チェッカーを受けた後のニックのシルバードリームレーサーが急にコントロール不能になり、サイドウォールに激突。激しく転がりながら最後には爆発炎上・・・というヒサンなエンディングでした。まぁ、不採用で正解じゃないですかね。

こちらが「バッドエンド版」のシーン。シルバードリームレーサーと共に絶命するニック・・・こりゃないよって終わり方です。

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残念ながらこちらの作品、当時の興行成績は全く振るわないものだったようです。映画の評価自体も低く、いわゆるB級映画にカテゴライズされています。しかし、一部の英国モーターサイクルファンのなかには、カルト的にこの映画のファンがいるみたいですね。実をいうと数年前、私にこの作品の存在を教えてくれたのは、そんな英国人のFacebook友達でした。

日本でこの作品を見ようと思ったら、リージョンコードの異なる輸入DVD版をゲットするか、チョメチョメをチョメチョメする(※自主規制?)しかないですが、気になる方はぜひ何らかの方法でご鑑賞ください!

Silver Dream Racer + Siver Dream Machine

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