『RIDE』の人気連載である、東本昌平先生による書き下ろし作品「おとなの絵本」。今回は、『RIDE22』に掲載された作品をご紹介します。上京するひとりの男の子の、期待と不安。あなたにはどう映るでしょうか。
HALUMOTOーおとなの絵本ー@RIDE22
かどでかどで
あっちのサクラも こっちのサクラも
みんなかどで
うれしはずかし お見送り
よってたかって 酔い祝う
僕のことなら大丈夫
ひとりでどこでも行けるもの
登り坂 下り坂
右に左に
曲ってる つづいてる
僕のことなら大丈夫
楽しみながら行けるもの
たどりついては みたけれど
見るもの きくもの
はじめてで
せかされ あおられ
都会(まち)のそと
みんな せかせかどこ行くの
こんなに たくさん
どこ行くの
かどで かどで
こりゃ大変だ
夢をかなえて みせるもの
どんな夢
こんな夢
まずは そいつを
みつけなきゃ
期待と不安と、希望の光
CBとすこしの荷物で、故郷を飛び出した青年。
みんなに盛大に送り出され、上京する道中は期待で胸が膨らんでいます。
ところが、いざ上京してみると、せわしない人混みと無機質なビル群に圧倒されます。
志高く飛び出してきたけれど、自分の夢ってなんだっけ。そんな不安もよぎります。しかしながら、青年は決意します。俺はやってやる。俺ならできる、と。
そんな青年の視線の先には、ビル群から顔を出す、力強い太陽が。
日はこちらを照らし、CBもきらりと光ります。
都会の太陽は、青年の明るい未来を応援しているのでしょうか、それとも・・?
あなたの思い出は?
これを読んでいるみなさんも、きっとそんな時代があったのでは。
もし、そんな当時の自分に会えたとしたら、いまのあなたは何をどのように語りかけるでしょうか?