生産台数以上の個体がある
3年前に約38億円というすでに車の域を超えた値段のついたフェラーリ250GTO。マラネロのフェラーリ・クラシケ部門のジジ・バープ(Gigi Barp)氏によると、
"We often joke there must be over 100 250 GTOs out there now,"
”よく冗談にするのだけれど、250GTOは100台以上存在しているって言ってるよ”
250GTOが生産されたのは1962年から1964年までの2年間39台のみです。つまり多くは偽物、言葉を正せば、レプリカで、1980年代には精度の高いレプリカが多く作り上げられていた様です。レプリカのベースとなるのも250GT 2+2等と本物のフェラーリなので実際に見分けるは相当な経験と知識がないと出来ないようです。
こうした現状を解決するためにフェラーリ・クラシケは存在しています。レストアからメンテナンス、また認証とビンテージフェラーリのオーナーにこれ以上ないサービスを提供しています。
22万点以上のオリジナルデータを所有
バープ氏によると、フェラーリ・クラシケには1945年から続くデーターベースに22万件にも及ぶ設計図や資料、車両番号などが揃っているとか。その中にはレースカーのレースごとの変更点なども記されているらしいです。
またクラシケではマッチしたエンジンの製作もする様です。世の中に出回っている車両にはエンジンが載せ替えられているのもあり(古い車ではよくあることですが)、レストアの一部としてエンジンを1から再生してフレームにあったものに載せ変えるのです。
レプリカを排除するためではなく偽物をなくすために
ビンテージ/クラシックフェラーリを買うとなるとオークションでとなりますが、アメリカのサザビーオークションの関係者もこのシステムを歓迎しています。
"No one in the auction world has an issue with replicas—as long as they are presented as such,"
”オークション参加者はレプリカだと言って拒絶はしません。ちゃんとそう表明されていればその価値は認められます”
レプリカとはいえその目的が大事な様で、人を欺き利益を得るためだけに販売される車両は残念ながら認められませんが、多くのレプリカはフェラーリを運転するという至上の喜びを再現するために作られています。つまり、同じ車体構成、同じエンジン、同じトランスミッション、同じブレーキ、同じサスペンションで出来上がった車両は本物と言われる車体と運転する喜びは変わらないでしょう。ただ本物かどうかの証明書が付くか付かないかです。
オークションとしては本物は買えなくてもフェラーリを運転する楽しみを味わうことが出来るのでレプリカであったとしても車両としての価値を認めるということです。大事なのはちゃんとそう表記されていれば良いのです。
歴史を尊重し、生き続けさせることで未来が繋がる
フェラーリ・クラシケのサービスはフェラーリファンはもちろん、資産目的で車両を購入数する人にも安心を与えますね。本物である認証としっかりとしたレストアと整備があることでフェラーリのビンテージ/クラシックカーが資産目的としても魅力的な対象となり市況の安定と活性化にもなります。こうすることでフェラーリというブランドが高く評価され続け、また栄光を永遠のものとすることで現代の車両のブランディングにもなるわけですね。
さすがはフェラーリ、このシステムを2004年にすでに始めていたこと。他社もだいぶ追いかけてきました。日本はまだかな?