ボルボのクリーンディーゼル車を8カ月間長期テスト(7カ月目)

(Motor Magazine2016年4月号)

2015年2月の走行距離=1165km。1カ月の平均燃費リッター12.9km。今月の平均燃費だが、13km/ℓ台にこそほんの少し届かなかったが、それでも12.9km/ℓという好データを残した。給油回数は2回でさすがに走行距離が1000kmを超えると1回では無理である。さてXC60 D4 SEは、オドメーターも1万kmを超え、とても順調、気になるところはまったくない。強いて上げればステアリングホイールヒーターが欲しかったかな、と思うくらいである。ただ、そう思うのも冬期の、それも早朝に乗るときだけなのだが。

ボルボのパワートレーンがすごい勢いで環境、効率に優れる新世代の「Drive-E」パワートレーンに変わってきている。

最初に導入されたのは「T5」で、次に「D4」が続き、さらに「T3」&「T6」と現在は4種類の「Drive-E」がラインナップする。

従来の3ℓ直6ターボのT6 AWDは最高出力304ps/最大トルク440Nmを発生していたが、新たに導入されたT6 AWDは2ℓ直4ツインチャージャーで306ps/400Nmである。

その「T6」が、XC60に搭載された。これは「Drive-E」と「4WDシステム」+「8速AT」という組み合わせである。これと同じパワートレーンがボルボのフラッグシップ新型XC90 T6 AWDにも積まれていると言えば、それがいかに最新であるかがわかるだろう。

Drive-Eと4WDと8速AT。欲しいものがすべて揃う

ただし、XC60には従来から4WDシステム搭載車も用意されている。それはT5 AWDで現在も併売されているが、実はこれ、「Drive-E」パワートレーンではない。ちなみにT6 AWDは2リッター直4ツインチャージャーで、トランスミッションも8速ATが組み合わされるが、従来型のT5 AWDは、2.5リッター直5ターボで、6速ATとなる。

ボルボのT6は3リッター直6、というのはもう昔の話で、今後は2リッター直4ターボ+スーパーチャージャ-だ。

今回はこの新「T6」を積んだXC0に試乗してみた。D4とはどう違うのかを確認するためである。
ところで改めてD4とT6データを比較すると、前者が最高出力190ps/最大トルク400Nmに対して後者は306ps/400Nm。最大トルクこそ同じだが、最高出力は100ps以上も「T6」が上である。ちなみに以前あった3リッター直6ターボ「T6」と新「T6」では2ps 、40Nmしか違わない。「Drive-E」は4気筒で6気筒に匹敵する性能を謳うが、それはこの数値でも証明されている。

エンジンサウンドも痛快なT6

さて「D4」と「T6」の2台だが、街中で使う低速域での扱いやすさは優劣付けがたい。
最大トルクの400Nmが、D4が1750rpm、T6が2100rpmと低回転から発生するので両車ともアクセルペダルの踏みはじめからとても軽快な動きを見せてくれるのだ。ただし、高回転まで回すとなると楽しさは「T6」が上、さらにその時に耳に届くエンジンサウンドも「T6」の方が痛快である。

試乗車が装着していたスタッドレスタイヤはピレリのスコーピオン。サイズは225/45R20である。

高速道路の場面を移しても両車とも走りは終始安定していたが、燃費面では「D4」の方が上である。今回「T6」で約350km走ったが、平均燃費はリッター9kmであった。「D4」の平均13km台と比較するとやはり分が悪いと言わざるをえない。

さて、この2台からどちらを選ぶかとなると、とても悩ましい選択だが、長距離乗るならば燃料代を考え「D4」、降雪地域での使用ならばさらなる安心を求めて「T6 AWD」ということになる。価格差も考えない、あまりおもしろくない、ありきたりの結論で申し訳ないが……。(文:千葉知充/写真:小平 寛)

降雪地域ならば4WDシステムを搭載する安心感が心強い。