ボルボのクリーンディーゼル車を8カ月間長期テスト(6カ月目)

(Motor Magazine2016年3月号)

2016年1月の走行距離=655m。1カ月の平均燃費リッター12.1km。そろそろ走行距離が1万kmに届きそうなXC60。コンディションは、いたって快調である。年末年始休暇を挟んだ今回は、稼働日が少なく、走行距離も例月よりもかなり少ない。その分、燃料も使わなかったので、この間は締めの日までに1度も給油することがなかった。さて燃費だが、長距離移動もなかったため、思ったより伸びず先月のリッター13.7kmよりリッター1.6km落ちてしまった。なお今月も省燃費モードの「ECO+」は使用していない。

長期テスト車のXC60号は、4駆のように見えて、2駆である。見るからに〝4駆らしい〞姿をしているので乗った人からは「4駆だと思って運転していた」と言われたことがある。たぶん、ジョークで言ったのだと思うが……。XC60 D4 SEの後輪は駆動していない。

都心に雪が降った日にちょっと後悔

ところで長期テスト車は、1年をとおして取材時の機材車として使うことが多いため、基本的に
12月頃から3月下旬までの期間は、スタッドレスタイヤを履くのだが、今シーズンは暖冬で雪が積もらないという担当者の予想と、もう1台の長期テスト車「アップ!号」がすでにスタッドレスタイヤに交換しているので「雪が積もったらアップ!号を使おう」という安直な考えでサマータイヤのままにしている。そんなとき、1月18日に東京に雪が降った。

大混乱していた電車でヘトヘトになりながら出社。編集部近くの路面に積雪の影響はほとんどなく、XC60にもあまり雪は残っていなかった。

幸いにして都心の積雪量はそれほど多くもなかったのだが、公共交通機関や道路は大混乱した。雪に弱い東京をまたもや露呈してしまったのである。担当者も電車で普段の倍以上の時間をかけ、編集部にたどり着いたころには、路面に雪はほとんど残っていない、という状態だった。

そこで駐車場に駐めてあったXC60号の雪おろしに行くと、写真のようにフロントウインドウと屋根に少し雪が残っている程度だったので、簡単に雪を取り除くことができた。

ギアポジションをリバースにするとディスプレイに鮮明なリアカメラの映像が映し出される。さらに障害物に接近すると音でも警告してくれる。

ちなみに屋根に雪を載せたままだと固まった雪の塊が落ちてきてリアワイパーを破壊したり、ボディに傷を付けることにもなるので注意したい。

で、ここで(少しだけだが)後悔した。それはもしかしたらまだこれからも雪は降るかもしれない、都心でも積もるかもしれない、ということだ。先日まで暖冬(確かに今年の冬は暖かい)と言われ続けていたことで少し気が緩んでしまっていたのかもしれないが、2年前は、2週連続で都心に積雪があったことを思い出したのである。さて、今年はどうか。これ以上、雪が降らないことを願うばかりだ。

標準装着しているのはコンチネンタルのコンチエココンタクト5 for SUV。サマータイヤなので雪道走行には適さない。

ところでボルボは、フラッグシップ&XCシリーズの最上級モデルとなる「新型XC0」を1月27日に発表した。北米トラック&SUVオブザイヤーをはじめ、多くの国で様々な賞を獲得しているXC90がついに日本へ上陸するのである。

その詳細な内容は、第一特集に譲るが、このXC90からボルボの新エピソードが始まると言っていいだろう。「新しいデザイン」、「新プラットフォームSPA採用第一弾」、「新Drive-Eパワートレーン&プラグインハイブリッドの導入」、「世界初採用を含む最新の安全・運転支援システム」など興味深いことがかなりある。スターウォーズの新たな三部作が公開されたように、ボルボの新たなエピソードがここから始まるのである。新型XC90には大いに注目している。(文と写真:千葉知充)