ボルボのクリーンディーゼル車を8カ月間長期テスト(3カ月目)

(Motor Magazine2015年12月号)

2015年10月の走行距離=1602m。1カ月の平均燃費リッター13.7km。今月は約1600kmの走行距離だったが、給油回数は2回だった。だいたい月の半ばに1回、そして1カ月の締め日に1回というペースである。そして今回の平均燃費はリッター13.7km。これは満タン法による数値だが、車載の燃費計だともう少しよく、リッター15.1kmを表示していた。トリップメーターだと900kmぐらいで燃料警告灯が点灯する。いずれにしろ、ここ数カ月はボルボの「D4」、クリーンディーゼルエンジンの低燃費を実感している。

エンジンフード裏側にはインシュレーターが装着される。これにより室内に侵入するエンジン音も少なくなる。

長距離走っても給油しないでいいメリット

ハンドルを握ると目的地まで一気に走りきることが多い。とくに高速道路であれば、よほど我慢
できないトイレ休憩などがなれけば、500kmぐらいは平気で走ってしまう。燃費の悪いクルマや燃料タンク容量の小さいクルマに乗って400kmごとに給油なんて苦痛以外のなにものでもない。

実はそんな私にとって、航続距離の長いクリーンディーゼル、このXC60 D4とは相性はとてもいいのだ。なにせ満タンで楽に800km以上は走ってしまうし、給油に立ち寄らない分、目的地にも早く到着するというメリットもある。

すっかり見慣れているつもりだがいつ見ても美しいデザインだと感心してしまうのがボルボのルームミラーである。

ただ、あまり長時間、走り続けるとちょっと注意力が散漫になり、普段とは違ったドライビングスタイルになってしまうようである。するとそんな時は、かならずボルボに標準装備されているドライバー アラート コントロールに〝休憩をするように〞と注意されてしまうのだ。ていねいにもメーターパネルに、おいしそうなコーヒーのイラストまで表示して休憩を促すのである。

リアビューカメラがリバースに連動しない

そんな安全第一のXC60、最近、ちょっと首をかしげるようなことがあった。それはATセレクターをリバースにするとともに自動で作動するリアビューカメラが作動しなくなってしまったのだ。誰かが間違ってそう設定してしまったようだ。

もちろん、センタースタックにある〝CAM〞ボタンを押せば、サイドビューカメラが、さらに押すとリアビューカメラが作動するので後退するときは、手動で切り替えればいいだけの話なのだが、やはり今までリバースギアに連動していたものがしなくなるのは気持ちが落ち着かない。

インテグレーテッドチャイルドクッションはファミリーパッケージ(42,000円)に含まれている。

そこでボルボ カー ジャパンに問い合わせたところ、「リアビューカメラを作動させながらメニューのOKボタンを押せば設定画面になるのでチェックボックスにチェックを入れてください」と即答してくれた。さすがである。

ところで、今月は燃料警告灯についての報告もしておく。XC60 D4の場合、燃料計残り1目盛りになるとオレンジの警告灯が点灯する。その時点での走行可能距離は、約85kmと表示されるが、それでも給油しないで走っていると目盛りの色が赤に変わり、走行可能距離を表示する部分には、-(横バー)がふたつ並び数字が表示されなくなってしまうのだ。

この時点ではまだ目盛りの色は白なので安心できる。走行可能距離も140kmと表示されている。写真はボルボS60 D4 SEのメーター。

この状態になってしまうと、いつガス欠でクルマが止まってしまうのかわからないのでかなり危険だ。早急に給油したほうがいい。この赤の警告灯。恐いモノ見たさで見てみよう、なんて思わない方がいい。(文:千葉知充/写真:永元秀和) 

燃料計の目盛りが“赤!”に。走行可能距離も表示されなくなる。こうなったらいつ止まっても不思議じゃないので即、給油しなければならない。写真はボルボS60 D4 SEのメーター。