1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)
NSX-R(NA2型) は2002年5月に登場しました。外面で一番変ったのは、体内部に格納できる方式のリトラクタブル・ヘッドライトですね! キリッとしたお顔がまた素敵です ♥︎ 目標としたのは、サーキットで速く走るという明確な意志を持ったドライバーを感動させる研ぎ澄まされた性能。今回ご紹介する『オールタイプRの詳解』は、マイナスリフト(空気の力によってクルマが路面に押しつけられ、浮き上がろうとする力がマイナス方向に働き)に着目、空力パーツで何度も限界走行で鍛え上げられ、開発者らの情熱が注ぎ込まれたNSX-Rです。
改めて 硬派なスポーツカー であることを知る…
新たに手が加わったのが空力特性向上だった。ボンネットにはエアアウトレットが付き、フロントのアン ダーにはカバー、リアのアンダーにはディフューザーが備わり、リアスポイラーが大型化されたのだ。ボンネットやリアスポイラーはCFRP製とされ、軽量化にも貢献していた。 走りは3ℓ時代のピーキーさは薄れてはいたものの、ダイレクト感に溢れ、硬派のスポーツカーであることをドライバーに知らしめる。コンフォート指向のクルマ界にあっては正に貴重な存在となっていた。このNSXはJGTC(全日本GT選手権)でも大活躍を見せ、2度のチャンピオンを獲得。スーパーGTとなってからもミッドシップとしての存在感をアピールし続けてきている。NSXタイプRは一時の中断を挟むものの、スタートから年の長きにわたりファンを魅了し続けてきた。その価値がいかに高いものだったかは、昨今の中古車市場での人気と価格がしっかりと証明している。文◎河原良雄