1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)

軽量小排気量ながら、自分よりはるかに上位の相手を負かすスポーツカーの 『新型シビックタイプR』 。なんと、ホンダインテグラDC5タイプRよりも速いというその実力!!すべてはサーキットでコンマ1秒を削るために生まれてきた、とんでもない225psスペックとはどんなものか鈴鹿サーキットで試されました ♥︎ 今回もレーシングドライバー、モータージャーナリスト、そして日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもある松田秀士さんが新型シビックタイプRに実際に乗り語っています!!

高回転の キレ味はサイコー に気持ちいい!!

今回はタイムアタックが目的じゃないけど、このあたりのギャップのいなし方はスポーツカーにとって重要な要素だから、しっかりチェックした。しかも担当編集から「せっか くの鈴鹿ですから、思いっきり攻めちゃってください!」なんて言われたもんだから、もう縁石はまたぐわ、レブリミットいっぱいまでエンジンを回すわで、かなりテスト車を酷使してみた。しかしタイプRは、そんな激しい走りを普通にこなしてくれる。これが硬くて許容範囲の少ないサスペンションだと縁石の乗せ方にも神経を使うし、こんなに大胆に走れない。第1コーナー手前のストレートエ ンドでは、5速ギアで215km/hも出ている(テストのためにリミッターを解除)。これは言うまでもなく速い。これは言うまでもなく速い。リファインしてトルク特性も向上しているけれども、やっぱり高回転域のキレが鋭いホンダらしいエンジン特性は、サイコーに気持ちいい!

◉HA 2007年7月号掲載

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そこからブレーキングし、4速にシフトダウンして第1コーナーに飛び込んでいくと(まさに飛び込む 感じ)、サスペンションのストロークが十分にあり、スッとロールしてコーナリングの姿勢を作ってくれる。 この時、リアのグリップ力が高くピッチング(不安定な上下動)を起こさないので、安定+安心のコーナリングができるのだ。通常、リアがしっかりグリップす ると、FF車はアンダーステアが強くなるけれども、タイプRはフロントの追従性も高い。これはコーナリ ング中のフロント内輪の接地性を上げた効果が出ているからだろう。 さらにLSDの効きがよくなって、 もうこれ以上はアンダーが出るからアクセル踏めないだろう、と思える速度でも、どういうわけかアクセルを踏んで曲がれてしまう。そのコーナリング性能はホントに感動ものだ。(◉HA 2007年7月号掲載)