淡々と仕事を終え、昔と変わらないような、典型的なカフェレーサー仕様の愛車に乗って、かつて仲間と集っていた場所へと駆け出す男。
女の甘い吐息より、酒とバラの狂おしい夜の誘いより、男は一人 生ぬるい風に身をさらして、誰も待っていないであろう、その場所に向かうのだ。
モーターマガジン社 / オートバイ 2016年 7月号別冊付録『RIDE』Gone With The Windより

もし、そこにあいつらが集っていたら?俺が行かないわけにはいかないだろう。
もし、そこに誰もいなかったら?それでも俺が行かないわけにはならないだろう。

オートバイに乗るのに理由はいらない。男はひたすら右手のスロットルを開けるのだ。

男はいくつになってもカフェレーサー。仕事を終えて、愛車に跨り、風に身を晒すのである。