お遍路といえば、パワースポット巡りブームの頂点というか元祖といえるありがたい儀式だが、今年(2016年)行えばそのご利益が5倍になるという。なぜかというと今年は丙甲(ひのえさる)。これは60年に1回の巡り合わせで大変縁起が良いためだそうだ。
さらに今年はうるう年。うるう年にお遍路をするとご利益は3倍と言う。加えて丙申の効果でご利益4倍になる。そのうえに逆打ちといって本来のルート(1→88)の逆順(88→1)を回れば効果は5倍、というので、非常に多くの人が今年のお遍路に挑戦しているらしい。

そこで僕もやってみた。
とはいっても、本当のお遍路をしたわけではない。ちょっとした裏技(ライフハックと呼んだら、軽すぎるか笑)を使って、小一時間で実行したのだ。

そもそもお遍路とは、弘法大師の足跡を辿って、四国の八十八ヶ所の霊場を巡拝すること、だ(全行程は約1400km)。参拝することを 打つ という。順番通りに打つことを順打ち、逆から回ることを逆打ちと呼ぶ。

これは、1200年前に「弘法大師に無礼を働いた男が悔い改め、弘法大師を追いかけて順打ちしたが会えず、逆打ちしたところお会いできた」というエピソードが元で、それ以来 逆打ちのほうが順打ちよりご利益が高いという認識が生まれたのだそうだ。

お遍路を完了するのに徒歩である必要はなく、車でもバイクでもバスででもいいらしいし、一気に回らなくてもよいという。しかも、今年中にスタートすれば、年内に回りきらなくても、効果は同じなのだということだ。とはいえ、お遍路は前述のように1400キロもの長い道程。忙しさを理由にしたくはないが、数日以上の休暇をとらなければならないとなれば、なかなか手を出せない。

ところが、東京都港区高輪にある「高野山真言宗総本山金剛峯寺 高野山東京別院」の境内には、四国八十八カ所の札所から集めた「砂」があり、これを踏めば、現地で参拝したのと同じご利益が得られるというのだ。これならば、1時間程度済ますことができるではないか、ということで、バイクで向かった、というわけだ。

東京都港区高輪にある「高野山真言宗総本山金剛峯寺 高野山東京別院」の境内には、四国八十八カ所の札所から集めた「砂」がある。これを踏めば、現地で参拝したのと同じご利益が得られるという。

高野山東京別院に入り、お参りを済ませてから、四国にある弘法大師ゆかりの八十八ヶ所の寺院を象徴する仏像と名称を刻まれた石板がコンパクトに設置されたスペースに向かうと、八十八番目から黙祷を捧げる。

徒歩で本当に四国を回れば、宿泊費や食費などで50万円はかかるし、日数も1-2ヶ月かかるところを、わずか1時間で行えて、しかも当の高野山側からも「問題なし」のお墨付きをいただいた、ある意味究極のライフハック。

バイク乗りなら本当に気軽に向かえる1200年以上の歴史あるパワースポット。チャンスはあと半年足らず、あなたもぜひおためしあれ。

高野山真言宗総本山金剛峯寺 高野山東京別院。愛車で来れなかったのは残念だが、バイクでサクッとやってきた。