音声を使った操作するスマートデバイス。家庭内での本格利用の市場化が本格化しそうだ。現時点でのメインのプレイヤーは、Amazon Echoを1年前に先行して発売しているAmazon、そして、Google HomeをリリースしたばかりのGoogleだ。

音声によって家全体を操作する時代へ


音声による操作、という意味では OK, Googleで操作するAndroidスマートフォンや、Hey Siriで操作するAppleのiPhoneがあるが、家庭で複数の人間が共有する家電というポジションでは、AmazonとGoogleが一歩先んじた。

Amazon EchoもGoogle Homeも、Bluetoothを搭載した高感度音声マイクであり、スピーカーである。音声によって指示し、音声による返答や音楽プレイヤーの再生やタイマーの設定など、搭載された機能の起動が可能である。
スマホの音声操作と違うのは、家庭内で複数の人間が利用することを前提としている点と、家庭内の他のデバイス(TVなど)とBluetoothで連携して、それらを操作するインターフェイスまたはゲートウェイになることを前提としている点だ。

拡大するNUIデバイス市場

音声によるコンピューティング、それはNUIのひとつである。NUI、つまりナチュラルユーザーインターフェイスは、指から始まり、いま音声へと拡張してきた。GUIはアイコンとマウスとキーボードによるコンピューティングであるが、NUIは例えば視線、脳波の動き、音声、指による直接操作、ジェスチャーなど、人間の自然な行為によるコンピューティングなのである。

iPhoneやiPadは、本格的に指をデバイスとした世界初のNUI対応のコンピューターであり、Appleはそのパイオニアだが、家庭内での製品化においてはAmazonが先行し、いまGoogleが追走している状態となった。ジョブズが存命なら、間違いなく家庭用と自動車用の音声スマートデバイスをすでに作っていると僕は信じているが、たらればは言っても仕方あるまい。

ここでもMAGFA(MS、Apple、Google、Facebook、Amazon)戦争へ

現実的に、Amazon EchoとGoogle Homeが先行し、さらに自動車の中にはいまだに決定的な製品はない。
Amazon EchoにしてもGoogle Homeにしても、他のデバイスとのBluetoothによるペアリングを行って、それらを音声で操作することを可能にする。今後、TVチューナーやエアコンなどが、この家庭内スマートデバイスとのペアリングを果たすだろう。

さらにいえば、カーテンレールや窓そのものの開閉、風呂・シャワーなどの点火など、家が持つ基本機能とのペアリングも実現する可能性がある。家屋がアナログな建物から機械へと進化するという未来は、もはやSFの世界ではないのだ。