1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)

NSXタイプRのコンセプトはノーマルでサーキット走行も可能な 『セミ・レーシング・スポーツ』 。外見だけ見るとノーマルNSXとNSXタイプRの違いは専用ホイールのみですが、NSX-Rとはどんなクルマなのでしょうか。今回は、 120kgの軽量化に成功したNSXの走り について注目しています‼︎軽量化に成功という文字だけでもダイエット中の私は素直に羨ましいです ❤︎ (笑)

120kg軽量化で セミレーシング

走りに徹してラグジュアリー装備を省き、ただでさえ軽いアルミボディからさらに120kgのダイエットを敢行。『軽さはパワーに優る!』というNSXのポリシーどおり、この軽量化の効果は想像以上。元来NAとしては異例にトルキーなダッシュ力を誇るC30Aなんだけど、エンジンスペックは変わらないのに“R”のアクセルレスポンスはファンタスティック!のひと言。

たとえば3速の3000rpmあたりから、アクセルを5㎜踏めば5㎜分、10㎜踏めば10㎜分。右足の動きに合わせて計ったように加速をコントロールできるところなんかまさに“快感”そのもの。こんなに精密にアクセルコントロールが可能だと、マネごとでも思わず“セナ足”をやってみたくなるという感じ。このヴィヴィッドなアクセルレスポンスは、限りなくレーシングカーに近い。ハンドリングもがっちりとこのパワーを受けとめてくれる。

HA◉1993年1月10日号掲載

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2012年開場50周年を機に鈴鹿サーキット西コース区間の改修工事が行われましたが、かつての鈴鹿サーキットでNSXタイプRを走らせるイベントが行われました。走ったのはなななんと、F1ブラジルの 英雄アイルトン・セナ様 とF1引退後は日本のモータースポーツ、国内レースの活性化に大きく貢献されているナカジマレーシングの総監督 中嶋悟さん ‼︎今思うと信じられないほどのすごい試乗イベントをされていたのですね…( ;´Д`)そして、NSXタイプRとNSX(標準)との違いをどう感じたのでしょうか、インタビュー形式で答えてくださっています‼︎ ホント貴重なお言葉です…

軽量化 で走りはまったく変わったな!

ついに噂のNSX-Rが我々の前に姿を現した。しかも、場所は鈴鹿サーキット西コース、ドライバーは中嶋悟とアイルトン・セナという、実にエキサイティングなシチュエーションが用意されていた。まず中嶋が乗り込む。タイヤをチェックしシートのホールドを確認する。3ラップをこなし、再びピットにもどる。タイムは1分34秒(手持ち計測)

「軽量化って効果あるもんだねぇ。走りに大きな影響を与えてるものね」—そんなに違うものですか?「コントロールも楽だし、動きがクイック。エンジンもすごくパワフルになったように感じるんだ。」—かなり攻めてましたけど。「ヘアピンを立ち上がってアクセルを踏み込むとリアがふくれるんだ。早めにヨーを出してやるときれいにトレースしてくれるんだけどね。それとTCSがついてないので、ヘアピンはうまく回らないとアクセルを開けられないくらい。それから、難しいと言われるデグナーカーブはギア比が合って気持ち良かったね。」

「驚いたよ。ずいぶんフィーリングが変わるね。」中嶋も軽量化を評価。

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—足はガチガチに固められたっていうことですけど。「サスペンションはかなり硬めだけど、サーキットには合っているね。ロードホールディングもいいよ。」「とにかく軽量化が全部に効いている感じ。限界が非常に高いから、一般のドライバーにとってもまったく安全だよ。これの限界を超えるのは大変なことだよ。」

「パワフルになったね」軽量化がいかにスポーツカーにとって大切か、セナがゆっくりと語る。

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同じように、セナも「パワフルになったね。クイックでアクセルレスポンスもいい。」と語ってくれた。彼らにとって初めてのNSX-Rとの出会いだった。サーキットを走るために生まれ変わったNSX-R。限界まで研ぎすまされたNSX-Rを知るためには絶好の機会となった。(1993年MM1月号本文抜粋)