全日本ロードレース選手権JSB1000クラススポット参戦
今年の全日本ロードレース選手権の参戦体制としては、ST600・J-GP2クラスにフル参戦しているRS-ITOH。今回のJSB1000クラスは、鈴鹿8耐のトライアウトを兼ねているという事で、1チームのライダーはひとりまたは2人でエントリーすることができ、レース途中で最低1回のピットワークがあるなど、8耐を想定したセミ耐久レースとなっているので、8耐の練習も兼ねて、スポット参戦を決めました。
今年の鈴鹿8耐が昨年から大きく変わる点として、大会にエントリーできるチームが、「鈴鹿8耐トライアウト」を通過したチームのみとなることが挙げられる。
これは、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)の規則変更によるもので、エントリーの最大数が70チームとなった。選抜方法は、FIM世界耐久選手権に年間エントリーするチームから最大20チーム、昨年の鈴鹿8耐で決勝レース上位20位までのチーム、トップ10トライアルに進出したチームにシード権が与えられるというもの。シード権を持たないチームは、4月24日(日)に鈴鹿サーキットで決勝が行われる「2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」の200km耐久と、5月8日(日)の鈴鹿サンデーロードレース第2戦JSB1000で、選抜が行われる。
ちなみに、RS-ITOHは8耐出場のシード権を持っているので、今回のトライアウトには参加せず、8耐のテストに専念。
出場ライダー
今回の出場ライダーは
第1ライダー:岡村光矩選手(右)、第2ライダー:東村伊佐三選手(左)の2人。
レースWeekスタート
週末にレースが開催される場合、チームはだいたい、その週の水曜日頃からサーキット入りし、レースに必要なマシンの搬入やピットの設営をします。
今回のレースでも水曜日にサーキット入り。この4tトラックに、マシン・タイヤ・工具など、必要な荷物をぎゅうぎゅうに詰め、鈴鹿サーキットへ出発!!!
8耐に向けたセミ耐久という事で、マシンはメインカーとTカー(予備)の2台。今回のマシンはKawasakiの新型ZX-10R。8耐ではSST(スーパーストック)クラスに出場する予定なので、ほぼノーマルに近い状態で、このレースWeekの木曜日にシェイクダウンした新車です。
今回、土曜日の予選までの走行可能時間は木曜日に35分間と30分間の2本。そして、金曜日に50分間と45分間の2本。この決められた4本のうち、天候や、マシンの状態を見ながら、走行するかどうかをチームで判断しながら、マシンを調整していきます。今回は木曜日が雨だったので、走行しない事を決めたRS-ITOH。路面のコンディションによって、使用するタイヤや転倒リスクなどを考慮し、限られた時間と限られた予算の中で最善を選択するのです。
今回新しく導入した新型10Rは電子制御でセッティングが変更できる部分がかなり多い仕様で、両ライダー共に、マシンの高いポテンシャルは認めているものの、少なすぎる走行時間に加え、天候により走行時間が激減するという厳しい条件下でのセッティングとなり、かなり苦戦しながらも、何度も何度も試行錯誤し、メカニックと話し合いながら、予選、決勝と戦えるマシンを作り上げていきます。
決勝スタート
そんな試行錯誤の末、予選結果は2'14.147で総合37位(参加台数81台)
決勝は37番グリッドからスタート!
今回は、8耐と同じル・マン式スタートで200km35Lapのセミ耐久。
途中、1回のピットインがレギュレーションで義務付けられているので、17Lapでライダー交代と同時に給油ピット作業。耐久レースはこのピット作業の速さも結果に関わってくるので、スタートした後も、ライダーだけではなく、チームワークも重要になってきます。
第1ライダーの岡村選手が、かなりいいタイムで17周をLapし続け、第2ライダーの東村選手にバトンタッチ。17周を全力で走り切ったタイヤで、転倒しないように少し抑え気味に走行するのもライダーのテクニックが重要になる部分。レースにおいては、どんな状況でも転倒せずにチェッカーを受ける事が最重要事項なのです。
そして、決勝結果は結果は25位!全日本ロードレースレギュレーションの中、今回は8耐のSSTクラスに出場する為の、ほぼノーマル状態のマシンで、しかもレースWeekにシェイクダウンという無謀すぎる状況で参戦した事を考慮すれば、大満足な結果!・・・なはず?(笑)
ライダーコメント
第1ライダー 岡村光矩
決勝レースは38番グリッドからスタートし、29Lap目に赤旗、そのままレースは終了となってしまいましたが、無事に25位でチェッカーを受けることができました。
スタートライダーを務めさせて頂き、序盤からすごくいいペースで走行できたので、一時は20番手まで順位を上げることができました。
このレースweekでシェイクダウンした、新型ZX-10Rの高いポテンシャルを十分確認する事ができましたし、鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けてのいいテストになりました。
もっともっとセッティングを詰め、鈴鹿8時間耐久では10秒台を目指して取り組んでいきたいと思います。応援ありがとうございました。
第2ライダー 東村伊佐三
決勝レースでは、第2ライダーとしてマシンのバトンタッチを受けました。
今回のJSB1000クラスへのスポット参戦は、鈴鹿8耐へ向けてのテストを兼ねているという事で、
耐久中のタイヤの減りや、挙動などを検証する為に、タイヤ交換をしないという条件下での走行でした。
そして、今回新規投入したマシンである新型ZX-10Rに搭載されているいろいろな機能をライディングに取り入れる為に、自分なりに、今までとは違うライディングスタイルにトライしてみたりもしました。
そういった条件の下で、新型マシンの未知の部分に苦戦しながらライディングしたという部分もありますが、このマシンは、鈴鹿8耐の結果に期待が持てる高いポテンシャルを持ってるのではないかと感じる事ができました。
今日のデータを踏まえ、これからマシンのセッティングを詰めて行き、また、この新しいマシンに合わせたライディングを確立させていけば鈴鹿8耐では非常にいいタイム、そして、いい結果を出すことができると実感できたので、その成果を楽しみに応援して下さい!ありがとうございました。
結局私は何をしていたかと言うと?
1チーム4枚しかもらえないこのメカニック腕章を1枚割り当てられて大喜び( *´艸`)
(この腕章をしているチーム員しか、レース中はマシンに触れられないという貴重な腕章)
してただけじゃなく、上から10枚目の写真の、耐火服と目出し帽にゴーグルというスタイルで消火器を持っているのが実は私(笑)
走行前にタイヤが冷えないよいに、タイヤにウォーマーをかけたり、スタンドをかけたり、ガソリンを買いに行ったり、メカニック見習いの道はまだまだ続くのでした。
そんな、全日本ロードレース選手権、そして鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦し続けるRS-ITOHは、埼玉県東松山市にあるバイク屋さん!レースで培った技術を惜しみなくバイク整備に注ぎ込んでくれる、信頼できるバイク屋さんです(*´▽`*)
レーススポンサーも募集中なので、興味のある方は是非HPをチェックしてみて下さいね!
色んな企業名が入っている各チームのマシン。実はこうやって、レースに出ているマシンのデザインは決められていくのです。
各チームにどこの企業や1個人がスポンサーをしているのか、マシンを見てチェックするのも面白いと思います( *´艸`)