旅のスタイルは十人十色で当たり前。他の誰にも決められない。自分にしかわからない。自分にピッタリの相棒、見つかっていますか?
今回は、『RIDE51』に掲載された「旅いろいろ。相棒いろいろ。どれにする?」より、計21車種をご紹介します。

メガスポーツ:エキサイティングな瞬間移動装置

「スーパースポーツほど軽快ではないが、グランドツアラーほど重くなく、圧倒的なパワーと高速性能を持ち、超高速域において抜群の安定性を持つ」 というのがメガスポーツの基本的な定義。
その先駆は、1990年にデビューしたカワサキZZR1100。ストックで300km/hに届こうかという圧倒的な高速性能で世界的な大ヒットモデルとなり、ホンダCBR1100XXやスズキGSX1300Rハヤブサがそれに追随したことで、"メガスポーツ"という市場が出来上がっていった。

(左)KAWASAKI ZZR1400(中)SUZUKI HAYABUSA1300(右)HONDA VFR120F/©モーターマガジン社

欧州では「そこまでのスピードが必要なのか?」という議論も巻き起こり、以前のような新車開発競争はひと段落したが、その後のBMW・K1300Sやトライアンフ・スプリントGTといった外国勢の参入もあって、確実にひとつのカテゴリーを築いている。
さらに、クラッチ操作が必要ない「DCT」という秘密兵器をひっさげて登場したVFRも注目の1台だ。

(左)BMW K1300S(右)TRIUMPH SPRINT GT/©モーターマガジン社

ネイキッドスポーツ:スタンダードに旅味をプラス

メガスポーツ系やグランドツアラー系に対して想定巡航速度域を大幅に落とし、市街地やタイトなワインディングにおける取り回し性、良好な乗り心地、長距離走行による疲労軽減といった、ラグジュアリー的な要素を盛り込んだオールラウンドツアラー。
「ビッグネイキッドにツアラー装備を与えたモデル」 と言った方が単刀直入で、CB1300スーパーボルドールや同スーパーツーリングが代表的なモデル。

(左)HONDA CB1300SUPERTOURING(右)HONDA CB1300SUPER BOL D'OR/©モーターマガジン社

穏やかなトルク特性とソフトながらもコシのあるサスペンション、アップライトなライディングポジション、空力特性というよりもライダーやパッセンジャーに対するウインドプロテクション効果を優先させたハーフカウルが、快適なロングクルージングを約束する。

グランドツアラー:豪華&快適な大陸横断型特急

居住性に優れる大型ボディに、強大なトルクを発生するビッグスケールエンジンを組み合わせ、 比較的高い速度域で長距離を快適に移動することを主目的とした ツアラーモデル。
大柄で重いボディゆえに取り回しは必ずしも良くないが、パッセンジャーを含めた快適性の高さ、外乱に対する安定性は他のモデルには真似のできないレベルにある。

(左)KAWASAKI 1400GTR(右)YAMAHA FJR1300A/AS/©モーターマガジン社

運動性能ではあまり制約を受けないことから、並列4気筒の1400GTRやFJR1300、BMW・K1300GT、水縦置きクランクVツインのモトグッツィ・NORGE1200GT、ボクサーツインのBMW・R1200RTなど、多彩なモデルがラインナップされているのも特徴と言っていいだろう。

(左)HONDA GOLDWING(右)BMW K1600GTL/©モーターマガジン社

(左)MOTOGUZZI NORGE1200(中)BMW K1300GT(右)BMW R1200RT

ミドルクラス:ちょうど良いっていいじゃない

600〜800ccのミドルクラスは、欧米市場では入門用モデルあるいはベテランライダーのセカンドバイク的な位置づけのカテゴリーで、明確なツアラーモデルというよりも、 ツーリングもこなせるオールラウンドスポーツ がラインナップの中心となっている。

(左)YAMAHA XJ6 DIVERSION F(右)KAWASAKI NInja650R/©モーターマガジン社

スーパースポーツ寄りのスタイリングが与えられたCBR600Fやニンジャ650R、ベーシックスポーツ路線のCBF600SやXJ6ディバージョンF、軽快感を前面に出したBMW・F800STやアプリリア・シバー750GT、オートクラッチを備えたアプリリア・マーナ850GTなど、さまざまなレベルのライダーやシチュエーションに対応できる懐の深さを重視しつつ、多様なユーザーニーズに応えて多彩なラインナップが揃えられている。

(左)HONDA CBR600F(右)BMW F800FT/©モーターマガジン社

(左)HONDA CBF600S(中)APRILLIA SHIVER750GT(右)APRILLIA MANA850GT/©モーターマガジン社

|文:安藤佳正

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