テレスコピックフォークはオートバイに最も適したフロントシステムとして100年近く使われてきました。しかし、更に上をいくシステムをオーストラリアのMotoinnoチームが開発したようです。どうやら彼らはテレスコピックを過去の栄光にする気みたいですよ。

Ducati SS900をベースに開発された車両 フレームから下は左右対称的です

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Motoinnoの開発したこのフロントシステムは軽量で、ジオメトリーの変化がなく、より小さな回転半径で曲がれ、キャスター、トレールを自由に調整することが出来ます。更にはブレーキ時のノーズダイブ量までスパナだけで調整できるとか。このシステムの大きな強みはブレーキング時にあるようで、車体が安定した状態でコーナーに入れるため、同じライダーでもコーナー1つで1秒の差が出来るほどだそうです。

まずはシステムの動きの紹介から

書いてる自分もまだあまり把握できていません笑

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ホイールを支持する三角形の部分は一定の角度で前後には傾きません。その三角形部分の上と下から出ているアームが、フレームの上部と下部のピボットに直接繋がっています。ブレーキング時はこのアームがフレームに制動力をダイレクトに伝えます。

三角形部分の前側(青矢印)がステアリングと繋がっていて、ステアリングを切るとその部分だけが左右に動きます。三角形部分後ろ側(赤矢印)は上下のみで左右には動きません。 サスペンションの上下の動きはステアリングには伝わらないようになっています。

んん?シャフトまっすぐでホイールが曲がってる!?

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元記事のページに動画があるので見てください。動画で見た方がかなり分かりやすいです。

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利点をまとめると

・アクセルシャフトとステアリングのダイレクトな関係
・フレームを介したブレーキ制動力のコントロール
・ステアリングシステム自体のジオメトリーを変えることなくノーズダイブの調整が出来る
・前後のねじれゼロ、左右も最小限
・キャスター/トレールの調整が出来る
・スイングアームのサイズも小さく出来て、車体が傾いても地面に当たることがない
・ステムシャフトがないことで軽量化になる
・切れ角が大きく、Uターンも楽

頭の中では動きは分かったものの、力学のイメージがまったく掴めていません

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実際のところは?

マン島チャンピオンのキャメロン・ドナルド(Cameron Donald)氏がサーキットで数周だけ走ってみた感想を伝えています。

"The bike amazingly feels quite conventional in the way it handles on the track, which is the biggest surprise to me. It's not what you'd expect, because it certainly doesn't look conventional. The way it turns into a corner, and the way it has some dive under brakes and whatnot, is actually very similar to a conventional forked motorcycle.

”驚いたのはサーキットでの挙動が今までのバイクと同じだということです。見た目が余りにも独創的なのでまったく予想していませんでした。コーナー進入やブレーキング時の挙動もフォーク式の車両とほぼ同じです”

静止画だと動きが見えないので分かりづらいですが

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"I've had limited experience on center hub steered bikes, but what I saw as the big positive to this was the way that I could trail brake into the corner and hold a very tight line. You've still got an amount of dive, the way the boys have got it set up, but you can trail brake into the corner well past where you normally would on a conventional bike, and with a lot more brake pressure. That's something that will take some time to get used to, because it's so different to a conventional bike."

”ハブセンター・ステアリングの車両に乗った経験はあまりありませんが、大きなアドバンテージはブレーキを残しながらコーナーに進入しても、とても狭いラインで抜けれることです。今日のセットアップではノーズダイブするけれど、それでも他の車両よりも遥か先まで強くブレーキングが出来る。このブレーキングの感覚には慣れが必要だ、これは他の車両とは大きく違う”

開発陣によると、コーナリングのライン取りが変わり、よりコーナーの深くまでブレーキングを行え、且つ、他の車両と傾斜角が同じでもより鋭角に曲がることが出来るらしい。

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Moto2への挑戦

MotoinnoはホンダのCBR600エンジンとこのフレームを使いMoto2クラスに挑戦するようです。

システム自体は大部分をカーボンファイバーで作れるように設計されているので更なる軽量化ができます。またMotoinnoチームには若手のライダー達が控えており、経済面でもほぼクリアの状態、ホンダの用意したMoto2用エンジンも他のパーツも用意できています。エンジンとタイヤ、電子制御が統一されたカテゴリーなだけに、フレームの優越が大きく結果を左右します。Motoinnoにとってはそこに大きな勝算が見えているようです。

今年の後半の2、3戦にスポットで参戦予定とのこと。今年はMoto2も見逃せなくなりました。

下記の元ネタに実際にサスペンションシステムが動いている動画、サーキットでの走行シーンもあるので、是非是非、見てください。