東本昌平先生監修のモーターサイクルムックマガジン『RIDE65』はカタナ大特集。その中で、似てないようで似ている、似ているようで似ていない 80年代生まれの大排気量車〈カタナ・CB・Z〉各車の乗り味に違いを見いだしてみよう、という企画を発見しました。

その結論は・・・『RIDE65』をお読みいただくとして、ロレンスではその比較の一部をご紹介しちゃいます。

(カタナ、Z、CB、それぞれ年代によって形も乗り味も特性も異なるとは思いますが、とりあえず、ここでは 1984年版SUZUKI カタナGSX1100Sと、1983年版HONDA CB1100R、そして1984年版 Kawasaki Z1100Rの3台をもって、比較していきます!)

1984 GSX1100S/©モーターマガジン社

まずエンジン。車体の諸元を見ると類似点が多い3車ですが、横から見ると三車三様(笑)といった感じ。スクリーン上方の空間を見ると、カタナというバイクの「低さ」が理解できます。

そして、3車の中でハンドルグリップ位置が低いのはカタナ。乗り手はそこそこ以上の前傾を強いられますが、シートの方も3車中最も低いため、近年のスーパーバイクのように前のめりなライディングポジションになるわけではありません。シートが高く状態が緩い前傾となるCBの乗車姿勢は昨今のスポーツツアラー的。Zはステップが前方にある以外は、現代のネイキッドに近いライディングポジションです。

1983 CB1100R/©モーターマガジン社

3台の重量はいずれもが当時のリッターバイクの平均といえるものですが、「前後重量配分」に注目すると、CB1100Rは他車とは異なる特別な存在に思えてきます。完全装備・燃料なしと同満タン時の配分は以下。

並列4気筒のスーパースポーツに、「前輪分布加重50%」という条件が欠かせなくなったのは90年代以降のことですが、プロダクションレースでの勝利を前提に製作されたCB1100Rは、80年代前半の時点で、すでにそれに近い数値を実現していました。

1984 Z1100R/©モーターマガジン社

フレームは3車ともスチール製ダブルクレードルですが、スイングアームは、カタナはアルミ角パイプ、CBはスチール角パイプ、Zはスチール丸パイプ。エンジンマウントは、カタナとCBがクランクケース前×2/下×2/後ろ×1の計5点ですべてリジッドなのに対し、Zは前×2/後ろ×1の計3点で、前2点にはラバーを使用しています。

軽くなったものの没個性化が進む昨今のホイールと比べると、この時代のスーパースポーツの足まわりは各社各様で面白いのです。スズキは10本のスポークがハブとリムの間で交差する星型を経て、写真の6本スポークを開発。ホンダはあくまでも独自の理論に基づくコムスターに情熱を注ぎ、カワサキは伝統の7本スポークにこだわりをみせました。

|文:中村友彦
|写真:Teruyuki Hirano

さあ!ずばりあなたはどれがすき??

いろいろ違いを並べてみましたが、ビビッと直感でもかまいません。あなたは3車の中で、どれがいちばん好きですか?

『RIDE 65』を見ると、この特集、冒頭は「さて困った。」から始まります。RIDE的に比べてみたその結論とは??ぜひ確かめてみてくださいね。