月明かりの夜桜

夜桜は官能的だ。あっという間に咲いて散っていく桜は日本人にとってはまさに「もののあはれ」人間の生と死の象徴だが,昼と夜とでまるで違う姿を見せてくれる。昼間の桜は武士道の象徴だとすると,夜桜は官能の象徴だ。今回は退廃主義的に夜桜を芸術とともに愛でてみたい。

最近はライトアップされた夜桜も各地にあるので美しい姿を見ることができるが,月明かりだけに照らされた夜桜は本当に官能的だ。それは月明かりの下で見る女性の素肌とでも言えよう。まるで一瞬だけ一糸まとわぬ姿を見せてくれる美しい女性のような官能さにこの時期は酔いしれたい。

この東山魁夷の描く夜桜はまさに月明かりに照らされた夜桜。裸婦を描いた絵と言っても良いぐらいではないだろうか。

東山魁夷「宵桜」

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夜桜の非日常感とともに

江戸時代から夜桜は愛されてきた。吉原の夜桜も江戸の人気浮世絵師歌川国貞によって描かれている。この絵を見ていると当時の賑わう吉原にタイムスリップできるかのようだ。

歌川国貞「北廓月の夜桜」

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まさに一瞬の美しさを放つ夜桜。是非その官能的なエネルギーをもらい,日常に慣れすぎた自分をエンパワーメントして欲しい。この春こそは是非女子達に桜のエネルギーで官能さをパワーアップして欲しい。乱れ散る花びらのようにエロスのエネルギーを是非放出して欲しいと願う。