毎年、バイクシーズンの到来を告げるかのように開催される、東京モーターサイクルショー。
この恒例の展示会をみて、さぁ今年もバイクライフを楽しむぞ!って気持ちになる方も多いことだろう。国内外の主要バイクメーカーはもちろんのこと、気鋭のカスタムショップや、周辺アクセサリーやウエアメーカーなどが勢揃いして、バイクライフの“いま”を体験できるイベントだ。

Hondaのブースに展示されていたCB1100のコンセプトモデルはカフェレーサー風。
私は懐かしすぎるタイヤのパタンに注目してしまった。

ヤマハがメインで展示していたのは、先頃リリースされたばかりのYAMAHA XSR900。
ネオレトロスタイルというコンセプトで、カスタムスタイルを取り入れたマシンといっていいだろう。

スズキブースには「SV650 ラリーコンセプト」というユニークなマシンが。
カフェレーサー×オンロードラリーをコンセプトとしているようだ。

昨年は、世界的なカスタムバイクのムーブメントが、日本でも注目された年になったと思う。ロレンスでも積極的にこの流れをフォローしてきた。BMWなど海外メーカーは、この潮流をいち早く取り入れていた印象があったが、今年は、日本メーカーもこれに応えるようなモデルを展示していた。ちょっと遅いんじゃないの? などと感じる方もいらっしゃるかもしれないが、これはなかなか画期的な反応ではないだろうか。日本のメーカーも面白くなってきたなぁ、と思う。

BMW G310E。BMWの強いブランド力がこのクラスにどう受け入れられるのか注目したい。

昨年は、まさにカスタムを全面に押し出していた印象があったBMWは、なんと中型クラスを投入してきた。近年、メーカー各社は125・250・400ccという小・中排気量のマシンにも、力をいれてきており、若者のエントリーはもちろん、リターンライダーも含めた、幅広い層のニーズに応えている。大排気量マシンの印象が強い、BMWがこのクラスに参入することで、いわゆる中型エントリーモデルに、満足できなかった層が食指を動かすかもしれない。

アプリリアのブースではDJがプレイしていた。

ドゥカティブースでは意欲的な新型ディアベルが発表されていた(背景の映像だけでごめんなさい)

MV AGUSTAのスーパーアドベンチャー、TURISMO VELOCE 800。

世界のバイクメーカーの中でも、イタリアのメーカーはやはり色気があるね。デザインも独創的なモデルが多く、日本人にとっては好みが分かれるところかもしれないが、デザイン上の新しさはこの国のメーカーが、常に最先端を走っていると思う。

AMGを冠したMV AGUSTA F4。

bimota TESI-3DC Specialは世界限定6台。この展示車両は7,300,000円だそうだ。

1台1台、ハンドメイドで製作されるフランスのAvinton。

世界的に経済は2極化しているという。バイクの世界も格差が進んできているのかもしれない。昨年登場した、Honda RC213V-Sの2000万円というは別格としても、この頃は超ラグジュアリーなバイクが増えてきているような気がする。我々、庶民には東京モーターサイクルショーの展示で、ため息をもらすのみだが、目の保養にもなるし夢のある世界だなとも思う。

カスタムスタイルは、すっかり潮流として定着してきた感があるが、その流れの中でちょっと注目したいのが、ネオビンテージといえるスタイルだ。ビンテージバイクといえば、一部のマニアの世界で、一般ライダーにはなかなか手が出せないカテゴリーだったかもしれない。いわゆるファッションの世界では、ビンテージバイクは以前から取り入れられていた。ビンテージスタイルはファッショナブルにも楽しむことができ、多様化するバイクライフのひとつとして気になるところだ。

先日、YAMAHA XSR900のリリースで公開された、プロモーションビデオを見て、私は RZ250/350を思い出したという記事 を書いたが、ヤマハのY'sギアのブースには、まさにXSR900をRZルックにカスタムしたマシンが展示されていた。30年以上を経て、このように過去と現在が融合するというのは、現代のバイクをとりまく環境が、豊かになってきた証ではないかと思う。オールドライダーの私からすると、いい時代になったなぁと思わずにはいられないよ。