タイヤとECUソフトという、いわばモトGPマシン走行のカナメが ふたつ同時に変更されるというのは、現場に相当な混乱を起こすものと考えられていた。
たとえばテストでのラップタイムが、前年のテストデータと比較して悪かったとき、従来ならばマシン本体やタイヤとのマッチングに原因を絞り込むことができた。
しかし2016年は、タイムが上がらない原因を、マシン(=これはエンジン/車体/電子制御が3大要 素だろう)なのかタイヤなのか、それとも新しい統一制御ソフトなのか特定できにくくなってしまうのだ。たとえば、タイヤが滑るのは、タイヤのグリップ特性なのか、トラクションコントロールの効きなのか、それともエンジンのパワー特性のせいなのか、特定が難しい。
たとえば、車体がウィリーしてしまうときも、アンチウィリー制御の出来なのか、車体設計なのか、それともリアタイヤのグリップが強すぎるのか、これも特定が難しい。
2015年チャンピオンを獲得し、そして今年度の開幕戦も制したロレンソ。この、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進しているロレンソを、MotoGPマシン走行の要とも言える2つの同時変更という混乱に乗じて、止められるライダーは現れるのでしょうか?
スタートの瞬間の大ウィリーも、コーナリングでの大ハイサイドもめったに見なくなってしまったが、16年にはそういったシーンも少なくないかもしれない。当然、レース終盤でのガス欠も、である。特にホンダ、ヤマハ、ドゥカティのファクトリーマシン6台は、高度に進化した最先端のオリジナルEC Uソフトを使用していたため、その 影響は少なくないだろう。もちろん、 ECUソフトウエアはアップデート され、各チームも新規ECUソフト を使うことで経験が増し、使いこなすタイミングも出てくる。すべては時間の問題なのだ。
250PSを超えるパワーをフルスロットルでコントロールして戦う為に、各メーカーがこぞって開発競争を繰り広げた最先端の電子制御。MotoGPという世界最高峰の舞台で戦うライダーだからこそ、その電子制御に頼り切っていたという事は無いと思うけど、それでも、慣れるまでには個人差があるハズ。そこに大注目だった今年度の開幕戦。しかし、ロレンソはそれでも速かった!!!
混乱が少なくないはずのシー ズン序盤には、どんなレース展開になるのか。やはり飛び出すのは、ワー ルドチャンピオン、ホルヘ・ロレンソだろう。ロレンソは、電子制御がまだ完全ではなかった時代からモトGPマシンをライディングしているし、デビューイヤーにはマシンの真価を知りたい、と制御を弱めにしてこっぴどくマシンから放り出される経験も重ねた。さらにミシュランタイヤも経験しているため、レギュレーション変更に対応できるのでは、というのがその理由だ。
開幕戦から優勝を決めたロレンソの速さの秘訣。それは、「経験している」という事。ロレンソにとって、今回のレギュレーション変更は、未知への挑戦では無かったのだ。
motoGP2016 参戦チーム&ライダー
●モビスターヤマハMotoGP ヤマハ YZR-M1
:99 ホルヘ・ロレンソ 46 バレンティーノ・ロッシ
●レプソルホンダチーム ホンダRC213V
:93 マルク・マルケス 26 ダニ・ペドロサ
●ドゥカティチーム ドゥカティD16GP
:29 アンドレア・イアンノーネ 4アンドレア・ドビツィオーゾ
●チームスズキ・エクスター スズキGSX-RR
: 41 アレイシ・エスパルガロ 25 マーベリック・ビニーレス
●モンスターヤマハテック3 ヤマハYZR-M1
:38 ブラッドリ・スミス 44 ポル・エスパルガロ
●LCRホンダ ホンダRC213V: 35 カル・クラッチロー
●OCTOプラマックYakhni ドゥカティD16GPch
:9 ダニロ・ペトルッチ 45 スコット・レディング
●アスパーMotoGPチーム ドゥカティD16GP
:68 ヨニ・エルナンデス 50 ユージン・ラバティ
●アヴィンティアレーシング ドゥカティD16GP
: 8 ヘクトール・バルベラ 76 ロリス・バズ
●アプリリアレーシングチームグレシーニ アプリリアRS-GP
:19 アルバロ・バウティスタ 6 ステファン・ブラドル
●MarcVDSレーシングチーム ホンダRC213V :43 ジャック・ミラー
●エストレージャガルシア0,0 MarcVDS ホンダRC213V :53 ティト・ラバト
このままロレンソの快進撃は続くのか!!!!?ここで!ロレンス読者の皆さんに質問です!開幕したばかりのMotoGP!第2戦は4月3日の アルゼンチン!ロレンソの連覇に歯止めをかけるライダーが現れるのか!!!皆さんはどう思いますか?
いったいどうなるMotoGP!アルゼンチン戦が楽しみで仕方ありません(*´▽`*)