クリスマスイブの夜。
ター坊は、飲み友達のヨシ子に譲る約束をしたエストレヤにまたがり、雑踏の中先を急いでいた。エストレヤを届けたら、早く家に戻りたい。彼のガレージには、今日、まさにこの日に納車された一台の新しいモーターサイクルが、彼の帰りを待っているからだ。
そのバイク、強靭な翼を静かに折りたたむ、最強最速の鳥。SUZUKI ハヤブサだった。

©東本昌平先生/モーターマガジン社

人の行き交う街。
(©東本昌平先生/モーターマガジン社)

雑踏の中にター坊はいた。

寒さに耐えながら先を急ぐター坊(©東本昌平先生/モーターマガジン社)

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たどりついた先には予想外のクリスマスパーティー

ター坊がたどり着いた先は、ヨシ子のアパート。
そこにはドレス姿のヨシ子が待ち構えていた。

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一刻も早く帰りたいター坊。
衝動買いをしてしまったハヤブサ。12月中には納車されるとは思っていたが、予定より早く、今日24日に納車されていたのだ。

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予定より早く納車されたハヤブサ。
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あまりのデカさと迫力に圧倒され尻込みしそうになる。これが、ハヤブサだ。
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抑えきれない衝動・・・早く帰れるなら愛想笑いだってするさ。

ヨシ子のアパートには、彼女の友人だけでなく、ター坊の先輩たちも待っていた。
甘ったるいケーキと紅茶で始まった”ティーパーティー”にうんざりしながらもター坊は我慢する。

早く早く帰ってハヤブサと一緒に飛んでみたい。ター坊は急く心を抑えて仲間たちと話を合わせて談笑するが、心はガレージで待つ美しい白い鳥のことばかりだ。

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こんな夜にお前に乗れないなんて。

早く1300cc 175馬力のモンスターを試したい・・・
©東本昌平先生/モーターマガジン社

息もつけない加速、アスファルトを蹴り出して突き進む怪鳥にまたがりたい・・。
©東本昌平先生/モーターマガジン社

帰るに帰れずふてくされるばかりのター坊・・・
©東本昌平先生/モーターマガジン社

バイク乗りなら、誰でもター坊の気分、わかるだろう。
パーティーは楽しいし、女の子と遊びたい。酒も飲みたいしケーキだってたまには美味しいもんさ。
だけど今夜はおまえと一緒にいたいんだ。おまえの羽ばたきを確かめたい。おまえと一緒にアスファルトを駆けたいんだ。

1300ccもの排気量で、175馬力。実測300キロをクリアした超高速マシン、ハヤブサ。
お前が待っているあのガレージに、一刻も早く帰りたい。