先日お伝えした、2ストロークV4マシン、スッターMMX500(580cc、195ps)による今年のマン島TTセニアクラスへの挑戦ですが、起用するライダーの名前が明かされました。マン島のマウンテンコースを知り尽くした男、イアン・ロッカーです!
TTでの勝利数は10度! 実績は十分ですが・・・。
ウェールズ人のロッカーのマウンテンコース・デビューは、1983年のマンクスGPニューカマークラス。ここで彼は、ロバート・ダンロップ、スティーブ・ヒスロップという名手に次ぐ3位を記録しました。ベテランだけあって、2ストローク車での「リアル・ロードレーシング」(公道コースでのロードレース)経験も豊富で、ノースウェスト200では125ccクラスで5度タイトル獲得しています。マン島TTでの初勝利は、1990年のライトウェイトTT。2位のスティーブ・ヒスロップにわずか1.8秒という僅差での勝利でした。
111回のTT出走で、10度の優勝、19度の表彰台獲得という、レジェンドと呼ぶにふさわしいキャリアを誇る名ライダーです。2013年のTTを終えたあと、TTからのリタイアを表明したロッカーですが、その後もクラシックTTではマウンテンコースを走り続け、2014年は500ccとフォーミュラ2で勝利を記録。マウンテンコースでの速さを、未だ維持していることを証明しています。
ベテランの腕で、2ストロークV4をどのように操るか・・・注目しましょう!
53歳のロッカーは、じつはスッター・レーシングのCEOであるエスキル・スッターとは、1991年の欧州選手権250ccクラスにおけるライバル関係にありました。スッターからのオファーに、ロッカーは熱いものを覚えたとマン島TT公式ウェブサイトのインタビューに答えてます。
スッターとロッカーのMMX500によるマン島TT挑戦は、今年限りの話ではないようです。3年のうちにステップ・バイ・ステップで、戦闘力を4ストローク1000ccスーパーバイクに対抗できるものしたいと、ロッカーは考えているそうです。彼らの冒険は始まったばかり! 彼らの活躍に期待しましょう!