自動車雑誌、オートバイ雑誌の老舗出版社株式会社モーターマガジン社全面協力の元、同社出版の【オートバイ(月刊)】より、ライダーの憧れ‼一般ライダーでは乗る機会が無いようなモンスターマシンの気になるインプレッションをご紹介していきたいと思います。

バイク好きなら、1度は乗ってみたいと妄想する世界最高峰のロードレースmotoGPでトップライダー達が乗るGPマシン。各メーカーが名誉とプライドをかけて開発した最先端テクノロジーを集結させたモンスターマシンは、いったいどんな乗り心地なのでしょうか。

(オートバイ@モーターマガジン社)

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今回は、そんなmotoGPに参戦するHONDA RC213V #93 M・マルケスが乗る2014年モデルに元WGPライダーでモーターサイクル ジャーナリストの八代俊二さんがライド。

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「チャンピオンマシンの乗り心地の良さに思わず笑ってしまった…」
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試乗車はファイナルレシオと電子制御のセッティングがツインリンクもてぎに合わせてあるがそれ以外は2014年最終戦でマルケスが走らせたまま。走り出して真っ先に感じたのは、端で見ているよりもエンジン音と振動が小さく、車体は思わず笑みがこぼれるほど乗り心地が良いということだった。

最先端のマシンと聞けば、どうしても制御できない程のパワーと勢い。そして、そのパワーを作り出すエンジンの爆発音などを想像してしまうが、静かで笑みがこぼれる程乗り心地がいいというのは意外だと思った。そう言っても、元WGPライダーが乗ってというレベルでの話ですけどね(笑)

ニューマチックバルブシステムを採用するV4エンジンは、アクセルの開け始めが非常にマイルド で、10000回転を超えてからの吹け上がりはまるで電気モー ターのような鋭さでレブリミットの15800回転まで淀みなく吹け上がる。

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加速時に駆動力が途切れることがないシームレスミッションは1速から5速まで同じリズムで加速しているように感じさせるのだ。
例えば、ヘアピン立ち上がりでわずかに ( 20cmくらい ) 前輪が浮き上がると前輪はその高さをキープしたまま直線を走りきってしまう。アクセル全開を維持すれば一度浮き上がった前輪はシフトアップを繰り返しても上下に揺れることすらない。ただひたすら一定の勢いで加速を続け、 アクセルを戻すまで前輪が接地することがないのだ。

シームレスミッション。ギアチェンジのギクシャクする感覚が無いだけで、どれ程の安定感があるだろう。アクセルを一定にしているだけで、一定の勢いで加速を続ける。私のレベルでは到底想像もつかない世界だけど、ただ1つ分かるのは全てがスムーズだという事。

今回RC213Vで体験した加速力は、速いけれど怖くない! というこれまで経験した事がない摩訶不思議なものだった。

「ハードな減速時にも抜群の安定性を誇り不安がまったくない」
(オートバイ@モーターマガジン社)

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さらにRC213Vは減速時にも、かつて経験した事がない特別な動きを披露してくれた。シフトダウンを伴うブレーキングでも、前後ブレーキを掛けシフトペダルを掻き上げるだけで目的を達成できるのだ。しかもクラッチを握らないまま5速から2速まで一気にギアを落としてもリアタイヤが跳ねたり大きく横に流れたりすることはない。

ハードな減速時も安定しているなんていったいどんな感覚なんだろう・・・。最高峰クラスのハードブレーキングが私の今まで体験した事の無い極限レベルである事は安易に想像がつく。そのレベルのハードブレーキングやシフトダウンまでもがスムーズで無駄な挙動が出ないというのは、いったい何をすれば転倒するのか・・・・そんな領域。

量産車の中にはシフトダウン時にクラッチ操作が不要なモデルも存在するが、それらがギアのドグを抜く為にエンジン回転数を上げるのに対し、RC213Vはまずはギアが切り替わり、その後でバックトルクを調整する為に必要な分だけエンジン回転数を上げるという複雑な制御を行っている。一見同じように見えるサポートシステムだが、実はまったく次元の違うシステムだったのだ。

フルブレーキからのシフトダウン時に回転を合わせないとリアがロックして滑るような感覚とギアの歯車が組み変わる瞬間の違和感がダイレクトに伝わりコーナー侵入時に恐怖を感じる事がある。それを、ライダーのシフトダウンに合わせて回転数を合わせてくれるというシステムなのでしょうか?私のレベルでは、AT車を思い浮かべてしまいます。最先端のテクノロジーを集結すると、まるで、ATのように乗れるレーサーが出来上がるという事なのか、上級ライダーが最先端レーサーを乗りこなすと、まるでATのように乗れるという事なのか。

最新テクノロジーが凝縮された MotoGPマシンRC213Vは既存のオートバイとは異次元の性能と特別な感覚を与えてくれる。

MotoGPマシンRC213Vが与えてくれる異次元の性能と特別な感覚。いつか、体験してみたい。そして私がこのインプレッションを読んで感じたAT的感覚、その答え合わせができる日が来ればいいな。多分それが実現するレベルになった時には、「ATみたい!」というような幼稚な意見は持ち合わせてないと思いますが(笑)