インターネットが大好き。
田中弦社長は、1976年生まれ。いわゆる76(ナナロク)世代といって、多くのネット起業家を輩出している世代に属している。
Windows95が世に出て、インターネットが一般化した時期に学生時代を過ごしたことから、インターネットに対して人一倍の思い入れがある世代なのだ。
「とにかくインターネットが好きすぎて好きすぎて。それは今でも変わらない」田中氏はそう言う。
「新しいアプリをダウンロードしまくって一人でレビューしたり、アプリのアイコンを並べてデザインをじっくり比べてみたり、いろいろ遊んでます」
それが田中氏のおひとりさま、そう言ってしまうと話が終わってしまう(汗。
他に夢中になる趣味はないのか?そう訊いてみた。
「仕事ですね。何をしていても仕事のことばかり考えています」と田中氏。
車で山にでかけて写真を撮る。カメラは好きですね
ならば、その日々忙しくて大好きな仕事を円滑に進めるためにストレスを解消する術があるはずだ。
そう言って食い下がって聞いてみると「車と山登りとカメラですね」と、ようやく田中氏が話の扉を開いてくれた。
「まず、車はとても好きです。一人でドライブすることもたまにあります。そして山登りが好きなので、車で山に行くわけです。すると素晴らしい景色がいろいろあって、記憶だけでなく記録に残したくなる。だからカメラ、というか写真を撮ることにつながるわけです。すべてつながっています」と田中氏は笑う。
「特に、写真はあとで人に共有できますから、趣味として説明しやすいですね。Facebookにアルバムを作って頻繁にアップしています。いまでは山に行くだけでなく、出張先でストリートスナップを撮ったりもしてますよ」
そうだ、私はこれが聞きたかったのだ。カメラは”男の趣味”としていいじゃないか。ひとりで扱うアイテムだし。
愛用のカメラを見たい、というと、腰の軽い田中氏は自分のオフィスに戻ると、何点かのカメラとレンズを持ってきてくれた。
「全部じゃないけど、いまあるやつはこれくらいです」
私が抱えているのは、CANON EOS 6D。いわゆる一眼レフで、装着しているレンズも非常に大きかった。
このカメラは、発売同時に購入したというが、最近ではほとんど使っていないという。
現在メインで使っているのは、これまたほぼ発売と同時に購入した(せっかちなのかしら?)SONY α7というミラーレス一眼レフとのこと。その理由は圧倒的な軽さだという。
田中氏いわく、高級コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)もいいが、もっといい画質が欲しい。そしてα7の軽さなら持ち運ぶのに苦ではないし、重い一眼レフ(EOS 6D)と比べても遜色ない画質を得られる、とのこと。
シャッターを切りながら仕事を想う
こうして撮影された写真をみると、どうやら田中氏は相当のロマンチストに思われる。率直にそう訊いてみると、
「そうかもしれないですね」と田中氏。「カメラにはまったのは、そこそこいいカメラで夜空の星を撮影したら、わりとうまく撮れたことがきっかけですからね。ならばもう少しいいカメラで撮ったら、もっといい写真がとれるに違いないぞと」
星空を撮ろうと思う起業家は確かにロマンチストだ。
「冬山で写真をとっているときなんて、氷点下十何度で、ほぼ凍りそうになりながら撮ってましたね。たまにプロのカメラマンらしき人たちと出くわすんですが、話しかけることもないな。ただひたすら自分の世界。おれ、なにやってるの??と自問自答するときもありますよ(笑)」
いや、ロマンチストだ。
それだけはまっていたら、仕事を忘れてリラックスできますね??と質問すると、「いや、それはない」とにべもなく否定。
ええっ〜( ; ; )、それはなぜ??と伺うと、
「なんだかんだいってもインターネットと仕事が好きだから。片時も忘れることはないですね。
静かな環境でそっとシャッターを切るようなときにも、次の展開をどうしようかと考えているときがある」
結局、仕事ありき、それが起業家・経営者なのだ。