「バイクに乗り続けることを誇りに思う」というキャッチフレーズで発刊され、多くのリターンライダーの心を掴みまくったムックマガジン RIDE。
バイク漫画の神 東本昌平先生の全面協力のもと 100号まで、という自らの制約条件を課した上でスタートしたRIDEは、現在 月刊オートバイ誌にバンドルされて発行を続けているが、その82号『RIDE 82 Z1&Z2超図鑑』をご紹介しよう。

RIDEの特徴は、東本昌平先生が、表紙のイラストと巻頭の短編劇画の掲載をされていることだ。
今回の主人公は、ゴールデンウィークを利用して、フェリーで九州一周旅行にでかけた青年。
愛車はKAWASAKIの不朽の名車 Z1こと900SUPER4だ。

彼と、フェリーの中で出会ったZ2乗りの女性との間の、二人のカワサキ乗りを男女の仲に発展させていく(かもしれない)何気ない接点を、ほんとうにさりげなく描いた作品「The Rude Pressures」が掲載されている。

©東本昌平先生/モーターマガジン社

©東本昌平先生/モーターマガジン社

ほぼノーマルと思われるZ1と、学生時代から乗っていてかなり手が加わっているカスタムZ2の出会い。男にも女にも下心はなく、純粋に愛するバイクとの一人旅を楽しむ一環として、カワサキ乗り同士、Z乗り同士の他愛ない会話で知り合うふたりだ。

彼女に起きた小さなトラブルの現場に、たまたま彼が出くわすことで、ふたりの人生が少しずつ交錯していくのだが、それ自体が本作に描かれることもない。もしかしたらそのまま何も起きないかもしれないし、次のゴールデンウィークには2台のZはスタートからゴールまで、同じコースを走ることになるかもしれない。
あくまでさりげなく、俯瞰した目でふたりの若者は描かれているのである。

いや、言われなくても永久保存させていただきます!

RIDE82は、Zを愛する人なら絶対に 買い だ。

他のZ本を買うまでもない、東本先生の作品を楽しむだけでなく、Z1 / Z2の歴史や技術的な背景など、Zにまつわるすべての情報と、Zに対する愛のしるしが詰まっている。

RIDE 百騎百景

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