嫡出推定の不存在

タレントの大沢樹生氏18歳になる長男が自分の子供では無いということを争う裁判で親子関係無しという判決が出た。今回の判決はDNA鑑定結果というよりも,婚姻から200日目に出生した長男は民法772条2項で親子関係が推定されないということが判決理由の大きな要素になっている。

この772条問題で,離婚成立後300日以内の子供は新しい彼の子供だとしても,前の旦那の子供だとされてしまう問題が発生し,裁判所が父親を決めるというようなことになっている。

そして773条で未だに女性は離婚後6ヶ月の再婚が認められていない。多くの女性達がこのような100年前に決められた法律の壁にとまどっている。

父親を決める必要があった

つまりこうした法律は誰の子供か調べる方法が無かった時代はとりあえず子供の父親を決める必要があったため生まれたものと言える。昔から多くの男性と同じ時期にHをする女性達はたくさんいただろう。そんな中で妊娠した場合誰の子供かわからない。なのでとりあえず婚姻をベースに決める必要があるということだ。

そうであれば現代の低コストでDNA検査ができる時代には婚姻とは関係無く父親が誰かは特定可能になってきているわけで,十分法律を変えることができるようになっていると言えるし,法律以上に家族のあり方を変えることが可能なのではないだろうか。

父親と家族の分離

そ子供の父親が特定できる以上は,父親としての権利と責任を明確にすることは可能だ。養育費を払うだけで婚姻しなくても父親になれる選択肢を望む男性は多いだろう。もちろん一緒に子供を育てることもよし,さらに養育費をもらいながaら別の父親の子供を母親と同居しながら育てる男性も増えてもよい。父親が誰であるかということと,一緒に生活する家族は分離されていてもよい。実際米国のように離婚が多い国では,前の前の奥さんの子供と今の奥さんの子供と,前の旦那の子供が一緒の家族として生活しているなどという風景も珍しくは無い。

米国のように婚姻にこだわれば権利などの複雑さはますばかりだ。婚姻していなくても父親としての責任を果たせる人はたくさんいる。婚姻しなくても子供は育てたい女性もたくさんいる。精子バンクのように父親が誰かわからないまま育てられる子供はやはり可哀想だと思う。従来の家族像さえ最初から無ければ,新しい家族像は作れるはずだ。DNA鑑定は父親と母親を確定してくれる。結婚の覚悟はもちたくなくても,親の覚悟は持つ。そういう時代こそが少子化解消時代に必要な価値観なのだと思う。