最近は電動モーターサイクルの話題なんかもよく聞きますが、やっぱりモーター=レシプロエンジンという昔気質のモーターサイクリストは多いと思います。ガソリン、ディーゼルともに、レシプロエンジンに欠かせないパーツといえばピストンです。混合気の爆発でピストンを押し下げ、その力をクランクシャフトに伝達する大事なパーツです。

4ストローク高性能エンジンに多く採用される鍛造ピストン。

大雑把に言うと、今販売されているレシプロエンジンに使われているピストンのほとんどは、耐久性と熱伝導に優れたアルミ合金でできています。製造法はこれまた大雑把にいえば、熱で溶かしたアルミ合金を型に流す・・・鋳物で作る鋳造方式。そして熱したアルミ合金にドスンとプレス加工を施す鍛造方式のふたつに大別されます。

鋳造方式、鍛造方式はそれぞれメリット・デメリットがあり、使用するエンジンに適した製法が用いられることになります。こちらに紹介するムービーは鍛造方式の製法です。一般論として鋳造方式より強度が得やすい、ということで、4ストロークの高性能エンジンに使用される例が多いです。

鍛造ピストンの一例。2ストローク用はポートの開閉の役もピストンが担うので、写真のような4ストローク用ピストンよりスカート部が長く、全高が高くなる傾向にあります。またピストンピンボス周囲の熱を下げる=強度低下防止のため、そしてコンロッドを短くする=掃気ポートの急激な曲がりを避けるため、2ストローク用ピストンのピストンピンボス部は、4ストローク用よりもピストンリング溝から遠くなっているのが一般的です。

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こちらは鋳造方式で造られた2ストローク用ピストンです。一般に鍛造方式よりも薄肉で軽く、膨張率を抑えて作ることができるのがメリットです。ただし競技用になると、寿命の短い消耗品扱いとなります。

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それでは、工程を追ってみましょう!

まずは円柱状の母材を、丸ノコでカットします。顔のない金太郎飴?みたいですね。

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コロリンコロリンと、上から落ちてきてストックされるアルミ合金材。

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アルミ合金材は高温に熱した後、2000トンもの圧力がプレス機械でかけられます。迫力満点!

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ピストンクラウン部が、旋盤加工されているところです。

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こちらはピストンリング溝に、オイル穴を開けているところですね。

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ピストンリング溝を作っています。加工時の発熱を抑えるため、ジャバジャバと切削油がかけられます。

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機械加工後のバリ取りは、人間の手で丁寧にやってます。

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・・・と色々省いて紹介しましたが、ピストンひとつ作るにも、いろんな工程が必要なのはご理解いただけたでしょうか? より詳しく知りたい方は、ぜひ動画をご覧ください。

How a forged piston is made

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