2015年10月17日(米国時間)、世界のボクシングの殿堂であるマジソン・スクエア・ガーデンにて、最激戦区のボクシング世界ミドル級で最強とされるWBA世界ミドル級スーパーチャンピオンでありWBCミドル級暫定チャンピオンである ゲンナディ・ゴロフキンと、IBF世界ミドル級チャンピオン デビッド・レミューの3団体王座統一戦が行われた。
試合は、ゴロフキンが第1ラウンドからレミューを圧倒し、鋭く強烈な左ジャブで相手を突き放しながら、右を叩き込む展開。
第5ラウンドにはボディでダウンを奪い、第8ラウンドでレフェリーストップでゴロフキンが勝利を得た。
不遇のチャンピオンに舞い込んだ大チャンス
ゴロフキンは、プロアマ通じて一度もノックダウンされたことがない。それどころか、プロ転向後33戦 33勝 (30KO) 無敗、実に90%以上のKO率を誇る怪物だ。レミューもまた90%近いKO率の持ち主であり、無類のスタミナを誇るファイターである。
あまりの強さに対戦相手に恵まれず、スーパーファイトのチャンスを得ることができずに来たゴロフキンに、急遽王座統一戦の話が舞い込んだのは、2015年6月20日(現地時間)にモントリオールで行われた試合において、カナダ生まれのファイター、デビッド・レミュー(34勝2敗・31KO)がIBF世界ミドル級の新王者に輝いたからだ。
ゴロフキンの今後の活躍に大期待
レミューはカナダを中心に活動する若手スターであり、元スーパースターのオスカー・デ・ラ・ホーヤの秘蔵っ子。カナダの白いタイソンとも呼ばれる彼を苦もなく打ち倒して、15連続KO防衛を果たしたことで、ゴロフキンの商品価値はまさしく急成長したと言える。
ゴロフキンの次のスーパーファイトの相手として実現可能な相手は、メイウェザーには惜敗したものの、未来のスーパースター候補として人気を博すサウル・アルバレスだ。アルバレスは11月に、ミゲイル・コットとの大一番を行うが、これに勝てば、ゴロフキンとの巨額のファイトマネーを賭けたスーパーファイトが実現するだろう。
今後しばらく、中重量級のボクシングはゴロフキンを中心に回っていくにちがいない。