沢渡はストリートライダーとして奥多摩でローリング族や暴走族を相手に、東条はレーシングチームに所属する生粋のサーキットレーサーとして日々を過ごしていた。
2人の「鷹」はある日、沢渡のバイク仲間の死をきっかけに出会い、やがて耐久二輪レースの世界でライバルとして互いを高め合い、共に世界の頂点を目指していく。だがこの2人には、当人たちの知らない出生の秘密が隠されていた…。ーWikipedia
同じ名前、同じ誕生日を持つ因縁のふたりが織りなすストーリー
『週刊少年サンデー』(小学館)1981年(44号)から1985年(32号)まで連載された、新谷かおる先生の初の週刊誌連載作品。
野生的センスの持ち主 沢渡鷹と 冷静で緻密な計算で走る東条鷹。ふたりの天才ライダーが耐久レースの世界で頂点を目指す、というストーリーです。
『バリバリ伝説』でいうと、スプリントレース好みの巨摩郡に対して、耐久レースを志向する聖秀吉の対比が面白かったわけですが、『ふたり鷹』では性格の異なる同じ名前を持つ天才が、耐久レースで協力しあって世界を目指すという設定になっています。
公道レースに明け暮れていた沢渡鷹の前に現れた、生涯のライバル東条鷹は、すでにサーキットに活躍の場を移しており、その才能を認められる存在でした。
そしてふたりの間には浅からぬ因縁があったのです。
なぜか東条に対して強いライバル意識を持ってしまう沢渡は、東条と同じく、レーサーになることを決意します。
一方、先行してレースに挑む東条は、冷静沈着な見かけを裏切る強い意志と闘志を持ち、沢渡の挑戦を受けて立つのです。
出生の秘密を乗り越え、過去を忘れ、現在と未来に賭けるふたりの青春
お互いをライバルと認め合い、レースに臨むふたりですが、やがて二人は、病院での火災事故の際に、入れ替わっており、互いに逆の家庭に育っていたという事実を知ります。
しかし、お互いに、育ての親への思慕は変わらず、現状通りの生活を送ることを決意します。
完璧な、理想的なバイクを作るために東条と沢渡はタッグを組む
その後、東条は、婚約者マリーを、結婚式当日に事故で失うという悲劇に遭います。
この事故がきっかけで、東条は世界でもっとも安全なオートバイを作ること決意し、その実験のために新しいバイクチームを作り、ライダーとして沢渡を誘うのです。
鷹の名を持つ二人は、自分たちのバイクをバトルホークと名づけ、耐久レース世界選手権に挑みます。
二人の鷹は、世界を目指し、最強の鷹として羽ばたくのか。
『バリバリ伝説』とも『あいつとララバイ』とも違う、ユニークな設定のバイク漫画。
『エリア88』など、メカニカルな兵器やマシンを題材にしたら天下一品の漫画家、新谷かおる先生の、最強のバイク漫画の名作、ぜひご覧ください!