主人公の少年を含むメインの役者4人が、12年間家族として同じ役を演じた話題作。
原題は『Boyhood(少年時代)』

少年と少女が12年間をかけて作った限りなくリアルな成長記録

6歳の少年メイソン。姉のサマンサと母親のオリヴィアとともに暮らしている。
両親は不和で、父親は家を出た。だから家計はオリヴィアの働きだけで、それではとても足りない。

そこで彼らはヒューストンの祖母の家に一緒に住むことを決めた。父親とは定期的に会う。メイソンもサマンサも気ままで自由人の父親が好きだ。両親の仲直りを望む二人だが、生真面目なオリヴィアは、彼を受け入れられない。

やがてオリヴィアは別の男と再婚する。真面目な良い男だと思ったが、結婚後には男は変わるものだ。アルコール中毒になって暴力を振るうようになり、結婚生活は結局破局を迎える。

メイソンの父親もまた再婚し、不思議なことに、いつのまにか家庭人になっていく。
12年の間に、さまざまなことが変わっていく。メイソンもまた無邪気で繊細な少年から、普通に女の子に関心を持ち、恋をするようになっていく。

6才の男の子

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少年になり

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徐々に大人びていく

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恋をして

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愛を知る

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離れて暮らす実の父親との関係にも変化が

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リアリティがすべてを超越する奇跡的な作品

本作には特に山場というものはない。

一つの作品を作るために、12年間を要し、配役も変えない。12年間のストーリーを12年かけて撮る。そのプロットがすべてのすべての映画である。淡々と、一つの家族の12年間を描く。それだけだ。

平凡な人生にも事件はある。同じ少年や少女が成長して、徐々に大人の顔になっていく。父親も老けるし、母親の体型も肥り崩れていく。そこにCGや演技ではカバーできないリアリティがあるのだ。

この映画は、12年かけて撮影した。子役とはいえ俳優たちに事故や病気でもあれば、何年もかけて積み上げてきたすべてが台無しだ。よほどの根気としっかりしたプロットがなければ手をつけづらいやりかただ。
そしてこのプロットは、なかなかに真似しづらい。今回の監督やクルーたちも、同じことをまたやろうとは思わないのではないか。

つまり、一度きりの奇跡。それがこの映画なのだ。

映画『6才のボクが、大人になるまで。』予告

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