世界最高の知能と恵まれた環境に産まれながら、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)によって四肢の自由を奪われてしまう青年、スティーブン・ウィリアム・ホーキング。のちに“車椅子の物理学者”と称され、宇宙の起源の解明に大きな役割を担うことになるスティーヴン・ホーキング博士と、彼が愛した女性の物語。

宇宙の起源を紐解いていった小さな巨人 ホーキング博士の物語

実は僕は、人類の起源とか、宇宙の起源とか、時間の概念、etc...といった類の話が大好きだ。
超弦理論や、事象の地平面などと聞くだけで、知的好奇心が爆発する。

時に、残念ながら凡人の脳みそしか持ち合わせていない僕には、これらを正確に理解しようと努力しても叶わず、急速に好奇心は収縮する。まるでブラックホールのように(笑)。そして高密度になった僕の好奇心は、物理学的素養のない冷厳な事実を突きつけられる。その事実が、僕の心の中の時空の特異点を作ることで、僕はビジネスへの道を志すのだ・・。

ホーキング博士は、ありあまる才能を持ちながら、ALSという難病によって、体の自由を奪われる。病気が発覚した当初は余命2年とさえ宣告されてしまう。しかし、彼は自分自身の知的好奇心・知的向上心を心の糧に、必死に生き続け、それまで人類が知り得なかった数多くの”真実”に到達し、宇宙の神秘を少しずつ紐解くのである。

スティーブン・ホーキング博士。人類の宝といっていい人物の一人。

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天才を絶望のうちに追い込んだ難病

家柄も良く、並外れた能力に恵まれたホーキング。
美しい恋人ジェーンとの出会いを経て、成功と幸せに満ちた人生を歩み始めていた。

しかし、突然の病の発症が彼を絶望へと追いやる。

ケンブリッジに通う物理学の天才ホーキング

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言語学を学ぶジェーン

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二人は出会ってすぐに惹かれあい、恋に落ちる

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物理学から宇宙の起源、時間の概念を解明しようと試みるホーキング青年だったが・・・

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あるときから、原因不明の体調不良に悩み始める

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ありえないほどの絶望、崩壊は突然やってくるものである。

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死を覚悟したホーキングは、愛するジェーンとの別れを決心するが、彼女は強い覚悟で彼を支えることを伝える。苦しみを味わうのは自分だけでいいと、ホーキングは一時はジェーンを拒絶するものの、二人の間の愛は本物であり、二人は先の見えない、いつ破綻するかもしれない暮らしへと踏み込んでいくのである。

闘病生活の中で苦しむホーキングとジェーン

二人は結婚し、男の子と女の子を授かる。
ホーキングの学問は成果を上げていくものの、病状は悪化。ジェーンを始め、子供達にも大きなストレスをかけてしまう。

二人は周囲の協力をえて結婚に踏み切る

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ホーキングは難病のハンデをはねのけて博士号を獲得。世界に名前をとどろかせる

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しかし、病は進行し、彼はしゃべることはおろか、時として呼吸さえ困難な状況に追い込まれていく

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どんなに愛し合っていても、人類史上稀に見る天才が相手であっても、身動きできない伴侶と家族の面倒を見ていくことは非常に難しい。二人の間にさまざまな葛藤はあったと思う。

やがてジェーンは彼の元を去り、彼もまた別の伴侶を見つけることになるのである。

正しく努力するということ。あきらめないこと。それを求めてくる映画

僕はありがたいことに四肢には力がいまだみなぎり、気力も横溢している。
知力においては、ホーキング博士の足元にも及ばないどころか、つま先にさえ触れることができないが、体力の続く限り、どれだけでも勝負に挑めるチャンスがある。

ホーキング博士は、発作が起きるたびに死の淵までいく。頭脳の中では宇宙の神秘の淵を見る偉人に、神はなぜそのような試練を与えたのか。物理学では神の存在を証明できていない、と笑う彼を罰するためなのか。

いずれにしても。20代前半にして余命いくばくもないと告げられたはずのホーキングは、70歳を超えた2015年においても健在である。辛い人生を超えて、肉体の自由を失っても、頭脳労働を続けたホーキングと、女としての幸せを捨てて妻として彼を支え続けたジェーン。

この映画に学ぶべきは、人生は辛く苦しく理不尽だが、それをただの荒波と考えるか、理想的な高波と考えて乗りこなすか、それは自分次第ということだ。嘆かず、冷めず、否定せず。

自分自身で何を成し遂げられるか、挑戦をすること。挑戦しないで投げ出してしまえば、戦って敗れるよりも、なお悪い。どんな不運な人生にも、成功を求める自由があり、成功するチャンスがある。

そういう事実をこの映画は突きつけてくる。観終わったらすぐに、仕事をしたくなる。そういう映画なのである。

映画『博士と彼女のセオリー』 日本版本予告

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