最後の愛車となるだろうKAWASAKI 750RS、つまりZII(ゼッツー)。
もはや他のバイクには縁がない、と思うと、他のバイクも気になりだすものだ。ふと、昔のバイク遍歴を思い返すうちに、意外と写真が残っているものが少なく、また記憶の奥で風化しているバイクも多いことに気がついた。そこで古いアルバム(ほぼデジタル以前のものが多い)を引っ張り出して、まとめてみようと思いついた。

アメリカンに乗ってみたくなった2004年の夏

2002-2006年は、サンフランシスコに出張に行くことが数回あって。
シリコンバレーに行くには有名なフリーウェイである101を通る必要がある。レンタカーを借りて、ひたすらまっすぐな101を走っていると、たびたび悠然と横を走り抜けていくハーレーの姿を見ることがあった。

これがまたカッコよかった。気軽な格好で、別におしゃれな連中でもなかった。タンクトップに安っぽいデニムシャツを閃かせて、ドドドッと走り抜けていく。それだけなのだが、実にカッコよく見えた。

ベスパでいいか、と思っていた、街中を気軽に移動できればいいかと思いつつあった僕だったが、これは一度はハーレーに乗らねばなるまいと思うようになったのだ。2004年頃の話だ。

しかし、僕はあまり鈍重な、大きなバイクは好きでない。そこで細身で低くて扱いやすいということで最初はV-Rodにしようと思ってハーレーショップに赴いたのだが、銀のV-Rodの横にあったスポーツスターに目がいってしまった。V-Rodはざっと200万円。スポスタは130万くらいだったので、差額分カスタムしていけば、そのほうがよかろうと思ったのだ。(結局70万もカスタムに使うことはなかったのだが)

シーシーバーとシート。マフラーを変えて、ハンドルバーを高めにした。

ベスパとの二台持ち時代

このころはよくツーリングをした。

港区海岸にある有名なバイカーズカフェ Super Racer。いまでもよくいくが、このころも毎週のようにランチしに行っていた。2006年の写真だ。

スポーツスターは乗りやすかった。スピードはでるわけではないし、さほどパワフルなわけでもないけれど、ベスパよりは当然速いし力強い。大型バイクの醍醐味は十分にあった。

当たり前の話だけど、コーナリングを楽しむバイクではなく、ゆったりと流すバイクだ。ただ東京は米国西海岸とは違って、101のようにハーレーに最適な道が多いわけではない。まあ、高速の湾岸線ならば、それらしい気分にはなるのだが。
それでも、このスポーツスターは、それまでの車歴とは異なるオートバイの楽しみを僕に教えてくれたのは間違いがない。